さよなら・・・

アナイスが旅立ってから・・・6日になる。
肺に転移した癌がどんどん広がって、とうとう呼吸が苦しくなった。見ているほうまで息苦しくなるほど。
戸棚の中に隠れて出てこなくなった。
最後まで、自然に逝って欲しいと願った私だけど、この苦しさを我慢させるのはあまりに可愛そう。エゴイストだ。
獣医さんのとこに連れていき、注射をしてもらった。私の腕の中で、安らかな死に顔。
よく頑張ったね。9月末に「あと何週間」と言われたのに、5ヶ月も生きたじゃない。

うちに帰って、大急ぎでアナイスの毛のついたベッドカバーを洗たく機に入れ、愛用の碧いお皿を見えないところに片付ける。思い出させるものすべてが悲しく、ぽっかり大きな空洞ができたみたい。
いつも私を待っていた黒い毛糸玉がいないなんて。夜、脚の上に感じた暖かい重みがもうないなんて・・・よくこれだけ涙があった、と思うほど泣いた。サングラスをかけないと出かけられない。
このくらい泣くと、喉が渇くというのを発見した。脱水症状。

少し落ち着いたとき、途方に暮れているのは私だけじゃないことに気付いた:もう一匹の猫、タマ。アナイスに邪険にされながら、いつも後をついてまわっていた。

どこに隠れてるの?(アナイスはよくベッドカバーの中に入っていた)

タマ

ここじゃないんだ・・・

タマ2

君の指定席、取っちゃったよ。隠れてないで出ておいでよ・・・
そうだよね、タマ、今にもどこからか、黒い姿が現れそうだ。現れてほしい・・・

タマ3

2つ並んでいたお皿が1つになったので、「もうひとつはどうした?」という顔で見上げる。アナイスの食べ残しを平らげるのが愉しみだったので、そのせい、という説もあるけれど・・・

アナイスは火葬にしてもらって遺灰を田舎の庭に埋めることにする。そこにアナナス(ananas=仏語のパイナップル)を植えようかな。
追伸:コメントやメールを下さった方々、心からありがとうございます。アナイスも私も励まされました。


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コメント
お悔やみ申し上げます
昨年愛猫が20歳で息を引き取りました。
寿命とはいえ、動物はものが言えませんから、ああしてほしかったんじゃないか、こうしてやれたんじゃないかと、どうしても後悔がつきまとい、答えが出ることもありません。
今も思い出しては涙する毎日です。

縁あってうちに来てくれたこと、母を亡くして笑顔のなくなっていた我が家に再び笑顔をもたらしてくれたことをただただ感謝することしかできません。

いつかはとわかっていても、別れは本当につらいものですね。。。
Re: パリ好き様
ありがとうございます。
20年も一緒に暮らされたなら喪失感も大きいと思います。
猫(犬もそうでしょうけど)がいると家の雰囲気が変わりますよね。
あんな小さな猫が、家族にとって大きな場所を占めていたことがわかります。
お疲れ様でした
とうとうこの記事を読む時がきてしまいました。とっても残念です。

彼女えらい子でしたね。5か月もふんばれたなんて立派なことです。たかこさんといる幸せがあったからこそですね。

私のコメントが悲しみを深くしてしまったらごめんなさい。
本当におつかれさまでした。
わたしもパリでねこと暮らしています。
ときどき、この子を看取るときが来たらどうしようかと想像しただけで涙が出ることがあります。
まるいお尻のふわふわや、よる一緒に眠るときの重さを感じられなくなったらと想うだけで悲しくなります。
たかこさんを含め、たくさんのねこと暮らすあたたかい人たちが大好きです。アナイスはとっても幸せでした。
とうとう…
とうとう、「その日」がきてしまったんですね。毎回長谷川さんのブログを楽しみにしているのですが、ここ最近は、アナイスのことだったらどうしようと、胸が詰まる思いで、正直ブログをひらくのが怖かったです。私も猫を飼っているので、長谷川さんの悲しみがとてもとてもよく分かります。アナイスの最後の話を読みながら涙ぐみ、アナイスが長谷川さんとご家族にいかに可愛がられ、幸せだった様子が目に浮かびました。これからはアナイスが長谷川さんのことを見守ってくれますね。

Re: ねこ様
「アナイスはとっても幸せでした」という一文が嬉しかったです。
ねこさんの猫ちゃんが元気で長生きしますように!
Re: 黒吉の母さま
ありがとうございます。
アナイスが思いがけないとこでお役に立ったんですね。

Re: ミキオ様
アナイスはうちに来て幸せだっただろうか?と思っていたので、そう言っていただけると安心します。
ありがとうございます。
これからは”怖がらずに”ブログを読んでいただけますね。
そうでしたか・・・。
お気持ち分かります。
タマちゃんがいるとはいえ部屋が広くなった気がしませんか?
人もそうですが、思い出してあげるのが一番の供養らしいので、
いっぱい思い出してあげてください。
アナイスちゃんは幸せでしたね。
私も時折和ませていただきました。
Re: カノママ様
ありがとうございます。
思い出してばかりいます!
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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