映画ザッピング:現実は小説より怖い

2013年1月、ドキュメンタリー映画監督のローラ・ポアトラスはCitizenfourというコード名の人物からメールを受け取る:NSA((National Security Agency/アメリカ国家安全保障局)が違法で行っている大掛かりな盗聴について話したい。

ローラはGuardien誌のジャーナリスト、グレン・グリーンワルドとともに香港のホテルに赴き、シチズンフォーことエドワード・スノーデンと出会う。アメリカ政府から公訴された彼は、香港に亡命していた。

スノーデン(左)とジャーナリスト、グリーンワルド
シチズン フォー/Citizen four2

NSAとCIAのIT技術者だった彼の口から、世界中の市民のコミュニケーションが、極秘に、非合法に、盗聴されていた事実が明らかになる(『アンゲラ・メルケルの携帯電話もやられてたんだ』『ほんと?! 電話してみた?』と笑っちゃうやり取りも)。

世界一の強国、アメリカを敵に回してまでスノーデンが告発を決めたのは、この”大規模な監視”が民主主義の脅威だからだ。一見控えめなこの若者の勇気、そして彼の恐怖もヒシヒシと伝わってくる:ホテルの火災警報ベルが鳴っただけでビクッとする。
職員3万人と言われるNSA。ここから睨まれたらビビるよね・・・
シチズンフォー/Citizenfour NSA
photos:allocine

スノーデンは自分で画策した「盗聴されたり暗号がバレないテク」も披露する。
スパイ小説よりサスペンスな現実・・・映画の終わりのほうで現われるオバマ大統領の顔が悪人面に見えてきた。

私のパソコンやクレジットカードの履歴を調べ、電話の会話を盗聴すれば、何を調べ、読み、誰にメールし電話し、会い、何を買ったか・・・は手に取るようにわかるだろう(それに興味を持つとしたらNSAもよっぽどヒマだ)。
私たちの個人情報は、巨大くもの巣の中にしっかり取り込まれていて、それを盗聴・盗見するシステムを考えるだけでいい・・・
ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を取ったこの作品、今のところ日本で公開予定がないらしいのは残念、というか「どうして?」

追伸:4月6日、NYの公園にエドワード・スノーデンの銅像が現れた。

Snowden銅像

不法な設置だったので取り除かれた、その数時間後に、今度は銅像がホログラムで現れた!
民主主義を護ろうとしたスノーデンは英雄だ。

『Citizen four』
ローラ・ポアトラス監督ドキュメンタリー
1時間54分
公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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