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カップルと男の子2人がハイパーで買い物をしている。彼(パスカル・エルベ)はオフィスであったことをしゃべり、彼女(エロディ・ブシェ-ズ)は子供の喧嘩を仲裁したり、キャディに食料品を詰め込みながら嬉しそうに聞いている。



「リンゴと梨、どっちがいい?」と彼女。彼は返事をしないで話し続ける。
「あと牛乳とミネラルウォーターだったわね、ヨーグルト取ってきて」と彼女。
彼は何もしない。

気がつくと子供たちがドロップの箱を開けて食べている。
「何してるの !?そんなもの開けて!」
「だって開いてたんだもん」
彼女はおドロップの箱を引ったくり、
「わたしって甘すぎるのよね・・・どうしたらいいんだろう」
彼はかまわず、大きな契約がまとまったいきさつを話し、
「お祝いに2人だけで食事しよう!子供抜きで!」とキスする。
2人はジョー・ダッサンの『Eté indien』を口ずさみながらレジに向かう。
「ふたりで行こう、君の行きたい場所に、君の行きたい時に・・・」

ハイパーを出て、キャディ一杯の買い物を車のトランクに詰める間も彼は話し続ける。
「・・・急いでうちに帰ろうとした。道は空いてたんでスピードを出した。そしたら前から来たバンが、ギリギリでウィンカーを出すんだ、だしぬけで何をする間もなかった・・・」
彼女は助手席に座って、シートベルトを締める。男の子たちの困ったような顔。間もなく彼女は空っぽの運転席に気付き、当たりを見回す・・・男の姿はない。
「ママン、また席、間違えてるよ」と男の子。母親はうろたえた表情になる・・・

この短編映画、男性が何もしないし、子供とも話さないので、最初は彼女の新しい恋人かな、と思った。これ、出会いサイトの広告? タイトルは『愛が死ぬ時』だけど・・・
ところが、最後のシーンで、男性は子供の父親で、事故で亡くなったことが判明する。
彼女は一緒に買い物した日々を思い出し、束の間の白昼夢に浸り-父親が何も手伝わず、子供の喧嘩の仲裁もしなかったはずだ-車に乗ったとき、現実に引き戻される。
最後に「Sécurité routière(交通安全)」と字幕が出る。政府広報の短編映画なのだ。

これまで交通安全の広報映画は、恐ろしい事故現場を見せたりする直接的なのが多かった。
これは全くそういうものは見せず、「何の話?」と思わせて、最後でお父さんがいなくなった家族の空洞を見せる。ジワジワと怖くなり、後に残る。なかなか説得力があるな、と。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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