映画ザッピング:『ヴィクトリア』

ベルリンの朝5時。テクノのリズムとウォッカに酔った一夜を過ごしたヴィクトリアは、クラブを出たところで4人組の男子に出会う。
見るからにガラの悪い、でも気は良さそうな4人組。ヴィクトリアは一緒に夜明けのベルリンの街を徘徊する。

『Victoria』

彼女はスペイン人、ピアニストを目指してマドリッドのコンセルヴァトワールに入ったけど、途中で挫折した。失意の旅でベルリンに来て、カフェでアルバイトをしている。
4人組のうち2人は前科者だとわかるが、ヴィクトリアはビビる様子もない。その中のゾン(前科者ではない)と特に惹かれ合う。

『Victoria』

息子に薦められて観にきた『Victoria』、この当たりで、
「なんだ、夜明けのベルリンで“A boy meets a girl”の話?あいつの言うことなんか聞くんじゃなかった・・・」と思ったのは、間違いだった。
間もなくヴィクトリアは銀行強盗に巻き込まれていく。後半は超リアリズムのサスペンスだ。というのも、2時間20分のこの映画、カットなしで長回しで撮っている。監督はドイツ人セバスチャン・シーパー/Sebastian Schipper 。
ヒッチコックの『ロープ』のように長回しを繋いだものではなく、2時間20分、しかも戸外でカメラを回し続け、「はい、ロケ終了!」

シナリオは10ページもなく、無名の俳優たちにかなりアドリブでしゃべらせている。そのためにちょっと冗漫なとこもあるけど、リアルタイムの臨場感、そしてヴィクトリアのキャラがなかなかミステリアス:アブナイ男達とわかっていながら離れられず、積極的に事件に巻き込まれていくのは、孤独だったせい?将来の夢が叶わなくなったから?レイア・コスタが体当たりの演技だ(やり直しができないから!)。
4人組のほうはカメラの視界から離れることもあるけど、ヴィクトリアは出ずっぱり。
「じゃ、2時間半トイレにも行けなかったってこと ?!」
と言うと、息子が吹き出した。
「そのぐらい誰だってガマンできるだろ」
そりゃそうだけど・・・
『Victoria』
Sebastian Schipper監督作品
2時間20分
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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