結局、警察には通報しなかった

日曜日の朝から電気ドリルや金槌の音。それも壁のすぐ向こう側なので、うるさいのを通り越して、頭をガンガン叩かれてるようだ。

隣はアウトレットの販売会場、毎週違うブランドが、入れ替わり立ち代り前シーズンのストックを売りに来る。試着室がないので、お客はところ構わず脱いで試着する。私たち住人が通ると「キャーッ」と睨まれたりして。何がキャーだ。こっちは自分の中庭を歩いているだけなのに。しかも叫ぶのは、3段腹のオバサンばかり。

それはそれとして。この会場、8月に大々的内装工事をしていた。それがまだ終わっていないらしい。
朝市から帰ってもガンガン、ドドド・・・・とすごい音。先週の日曜日もこうだったけど、一日だけだろうと黙っていた。もうガマンできない。私は文句を言いに行った。
「ちょっと、日曜に工事していいんですか?」
ドリルで床に穴を開けていた北アフリカ系のお兄ちゃんはキョトンとして「ウィ」
「こっちは日曜で朝寝坊をするし、昼寝する人もいるのにうるさすぎます」
「ボクだってうるさい」
話にならん。責任者はいるのか?と聞いたら、中年過ぎの男性が出てきた。
「工事が遅れてて、明日開店なんで仕方ないっす」
「仕方ないって、工事が遅れたのは私たちのせいじゃないでしょ」
「俺達だって仕事をしたくない」
「日曜日は休息日で工事してはいけないんですよ」
「そんなこと聞いてない」と埒が明かない。

そこへ、ネットで調べて「日曜の工事禁止」の確証を得た夫が現われた。責任者の周りにはさっきのお兄ちゃんと、もう1人外国人の職人さんも「なんだ、なんだ」とやってくる。
「この騒音、いつ終わるんですか?」
「あと10個、穴を開けなくちゃいけないし・・・」
私と夫はあきれて顔を見合わせた。
「じゃ警察を呼ぼう」と夫。今から昼寝をする彼にはより切実な問題だ。
「なんで警察が出てくるんだ?」と責任者。
「騒音被害は警察の管轄だから、呼んで判断してもらいます」
「勝手にしろ」
という捨て台詞を潮に、私たちは引き上げた。その間に、娘が管轄警察署の電話番号を調べ、「ガン」か「ドッ」が聞こえたら即座に電話する体制で待っていたが・・・隣は静まり返っている。1時間経っても物音は聞こえなかった。

想像するに、彼らは不法労働者で、警察に来られるとヤバイんだ。そうなると、工事費を安く上げるためにブラックで雇っているアウトレット会社が悪い。すごく儲かってるくせに。
今、議論が加熱している難民の問題が頭をよぎった。受け入れるだけでなく、彼らが仕事を見つけ、生活していける体制が必要だ。理想論だけでは解決しない。フランスも大変だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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