ブドウ収穫すべり込み

土砂降りのパリを出てシャンパーニュの村Spoyに向かった。1週間前のこと。高速は滝のような雨で、前の車が見えないくらい。
250kmの行程の3分の2くらい行ったところで雨が止み、ブドウ畑に着いたのは午後2時半。最後の数列にまだブドウが残っている。
シャンパーニュ・ブドウ収穫

なんでも、私たちが間に合うように、今日はスタートを遅らせてくれたんだと。
「朝1時間寝坊できて、みんな喜んでたよ」

どうしても間に合いたかったのは、日本から大学時代の友達が来ていて収穫を見せたかったから。収穫(vendange)のスタートはブドウの熟成次第、つまり天候次第。ギリギリまで決まらない。結局予定より2日早く始まり、すべり込みセーフ。

従兄妹は数年前に引退して、村の若夫婦がブドウ栽培を任されている。収穫には約30人の“日雇い労働者”が集められる。その中には学生アルバイトもいれば、毎年来ている収穫プロもいるし、ルーマニアから出稼ぎの人もいる。20代が多いけど、50代のおじさんもいる。女の子も2人。息子の友達が私を見つけて手を振った。
ブドウを一粒食べると甘い。今年は雨が少なく太陽がたっぷりだったので、小粒で甘みの濃いブドウになったとか。「ミレジメができる!」と栽培者は嬉しそう。もともとシャンパンは“ブレンド”ワイン。ピノ・ノアール、ムニエ、シャルドネの3種類のブドウを混ぜ、他の年のブドウジュースも混ぜて平均的な味にする。ミレジメは当たり年にその年のブドウだけで造るシャンパンだ。

私たちが鋏を借りて、房をひとつふたつ切るうちに、“プロ”たちは丘の上からかなりのスピードで切り進んでくる。
シャンパーニュ・ブドウ収穫

箱が一杯になるとこの専用トラクターが箱を集める。ブドウの木を痛めないようにトラクターを進めるのは経験がいるらしい。
箱の重さは約7kg。昔は籠に入れて背負って丘を降りていた。

シャンパーニュ・ブドウ収穫

集められたブドウケースは協同組合に運ばれ、すぐ圧搾機にかけられる。

シャンパーニュ・ブドウ収穫

ピノ・ノアールもムニエも黒いブドウだけど、圧搾機が皮を除いて白いシャンパンになる。皮を少し残すとロゼ・シャンパンだ。

“労働者”たちは、納屋を改造した合宿所で寝泊りする。暗いうちに起きて7時に開始。10時にはサンドイッチと白ワイン(!)のお十時が出る。何回か収穫に参加した息子は(お酒は強いのに)「10時にワインはきつい」と言っていた。別に飲まなくてもいいのにね。
一日、中腰でブドウを摘む作業はきついけど、3食+おやつ、ワインつき。毎年、人集めには苦労しないらしい。
収穫の最後の夜はお祭りだ。私たちが丘を降りる頃、盛大な夕食の準備が始まっていた。
シャンパンが何本空くことか?


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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