竜巻、停電、ランプ・・・

私たちがブドウ畑から帰ろうとするとき、空がにわかに真っ暗になり、強い雨が降り出した。農協の窓から外を見ると、木が猛烈に揺さぶられている。
「これ、竜巻に似てない?」「ほんとだ、パニック映画で見た・・・」と話すうちに、灰色の渦巻きが窓を横切る。似てるどころか、本物の竜巻じゃない!
翌日ニュースで取り上げられた竜巻が、シャンパーニュの小さな村も発生したってことだ。

雨風が少し鎮まってから、私たちは車でうちに帰り、友達を隣の民宿に連れていった。
そしたら停電。竜巻のせいで、、隣もうちも、近所一帯、お湯が出ない、料理ができない、何より電気がつかない。
最近きれいに改装した民宿は、トイレの水洗まで電気だ。文明の利器に囲まれて暮しているとトイレにさえ行けない。
日が暮れるにつれて私たちは暗闇に包まれていった。幸いウチは3代が住んだ“中世の家”なので、夫が屋根裏で石油ランプと蝋燭を見つけてきた。半世紀以上使ったことがなかったランプが大活躍。

民宿の夫婦は、ガスコンロを探し出して夕食を用意してくれ、ランプと蝋燭の明かりでご飯を食べる。写真が取れなかったのは残念だけど、ホラー映画の一場面のようだった。でも美味しかった。

一晩中、電気は復旧せず、人口200人の村には街頭もないので窓から漏れる明かりもない。真の闇。私は蝋燭の光で本を読み、蝋燭を持ってトイレに行き、自分の影に怯えた。

翌朝、村を通ると、木が根こそぎ倒れていたり、屋根の瓦が吹き飛んでいたり。隣村では納屋が崩れて死者(1名)が出たそうだ。

竜巻

竜巻

友達の中には「上昇気流と下降気流が・・・」と竜巻のメカニズムがわかっている人もいたけど、そんなこと記憶の遥か彼方、かけらさえ残っていない。ひたすら「自然の力は凄い、怖い!」と思った。

大学の友人たちにとっては初めての奥深い田舎、初めてのブドウ収穫、竜巻、停電(24時間!)・・・盛りだくさんの一日であった。

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コメント
日本でも水害がありましたが、自然に対して人間は無力ですし、最近の自然の猛威には、やはり地球が壊れかけているのかな?と、思ってしまう事が増えた気がしてなりません。
わたしも震災の時に、都内ですが、長時間の停電を経験し、やはりトイレが流せない、ガスは復旧しても、給湯器が電気なのでお湯が出ないという事態に直面しました。
便利な生活はもろいなぁと実感しました。
Re: まめゆう様
本当に地球が怒っている感じですね。
人間が考え出した文明利器の脆さを見せつけられます。インターネットが繋がらないと「仕事ができない」のも考えればシュールです。ネット以前、みんなちゃんと仕事していたのにね・・・
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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