批評が良く、好きなカトリーヌ・フロ主演、観ないわけにはいかない『Marguerite/マルグリット』。

マルグリット・デュモンは富豪の奥様。彼女の情熱はオペラで、毎日歌の練習に励み、友人を集めては披露する。

映画『Marguerite/マルグリット』

実は彼女、すごい音痴。聴衆は笑いをかみ殺すのにひと苦労だが、みんな偽善的で、拍手喝采を送る。彼女の夫も、マルグリットの歌を恥と思っていたが、それはオクビにも出さない。
でも、うちで“コンサート”があるときは、車の故障を理由にいつも終わった頃に着く。

映画『Marguerite/マルグリット』

誰も本当のことを言わないので、マルグリットは自分は歌が上手い、という幻想の中で生きていた。
ある日、彼女がオペラ座で公演すると言い出したので、夫や近親はギョッとする。あの音痴を公衆の前で披露するのはデュモン家の恥だ・・・

“オペラ座公演”の準備に、売れなくなったオペラ歌手が、個人教授になる。

映画『Marguerite/マルグリット』
photos:allociné

この映画は、封切り一ヶ月で観客動員数83万人のヒット、今、パリのメトロには『素晴らしい悲喜劇、カトリーヌ・フロ最高!可笑しくて感動的・・・』など、メディアの批評のパッチワークが書かれたポスターが貼ってある。

確かにカトリーヌ・フロの音痴歌は笑えるけど・・・なぜマルグリットがオペラの練習に熱中したか?を考えるとこの作品は悲劇だ。
素晴らしいオペラ歌手になって、自分に無関心な夫を振り向かせたかったから。ところが夫は妻のメッセージに気づかず-または見ないふりをして-仕事に逃げ、愛人宅に通う。妻はどんどん幻想の世界に埋没していく。
そして、ずっと幻想の中で生きてきた人に現実を突きつけるとどうなるか?

この作品で一番強いテーマは、マルグリットの哀しい心理とその行き着くところ、だと思うけど、それは掘り下げられず、音痴が毎日猛練習するとどうなるか?に大半が割かれていた。
カトリーヌ・フロ(『大統領の料理人』・・・)は上手い女優なのに残念。
監督は『ある日突然、スーパースター』(2012)のグザヴィエ・ジャノリ。日本では公開されなかった『A l’origine/初めは』(2009年)は、虚構の世界に住む詐欺師の話だ。

Marguerite
グザヴィエ・ジャノリ監督作品
主演:カトリーヌ・フロ、アンドレ・マルコン
2時間7分、フランスで上映中

追伸:10月21日夜10時、NHK BS『二度目のパリ』にフレンチ・コードとともに(ちょこっと)登場します。事前に観ていないのでどんな風に撮られたか不安ではありますが、お時間があれば!

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コメント
録画予約しました。
こんばんは。いつも楽しく拝見させていただいております。

早速、21日のBS,録画予約しました。

カトリーヌ・フロ、私も好きです。「女はみんな生きている」という映画が最初で、それから「クリスティー」シリーズもみました。
「大統領の料理人」は残念ながらまだですので、また近々みてみたいと思います。
数か月前にNHKでモデルとなった、料理人の方が出演されていました。
Re: Kao様
コメントありがとうございます。
カトリーヌ・フロは、ちょっとズレたゆったりした雰囲気がいいですよね。
「女はみんな生きている」観てません!探して観ます。
初めまして
初めまして。追伸にかかれてある二度めのパリで、あなたの事とパリコードの事をしりました。親子2人でギリギリの生活をしていますが、いつかパリに行ってみたいと夢見ています。その日の事を想いながら、度々おじゃましようと思います。元気な情報楽しみにしています!
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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