どこかの郊外にある寂れたアパートの一室で、住人たちがエレベーター修理を協議している:〇×さんは7時間、×〇さんは2時間、閉じ込められた、みんなでお金を出し合って修理しよう。多数決をとると中年男ひとりだけ(ソファの左端)手を挙げない。

サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』

理由は「だって僕は2階に住んでるからエレベーターを使ったことがない」 
「君には連帯の協力という観念がないのかね?」
結局、エレベーターは修理するけど、この中年男には使わせないことで意見がまとまった。ある日、この中年男はひょんなことから怪我をし、車椅子で病院から戻ってきた。エレベーターは禁止されているし、さてどうしよう?

このエピソードを皮切りに、アパートに住む住人-80年代にはヒットしたけど売れなくなった女優、母親が帰ってこないで、ひとりで暮らす高校生、息子がムショ暮らしのアルジェリア人オバサン-が描かれる『Asphalte/アスファルト』

サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』

ナンセンスな可笑しさと、孤独を癒そうと近づきあう人々、その温かさ・・・
特に、練習中に不時着した宇宙飛行士と、彼を泊めるアルジェリア人オバサンの“カップル”が可笑しくてかわいい。

サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』

売れなくなった女優(イザベル・ユペール)と孤独を癒しあう高校生(ジュール・ベンシェトリ)は、この作品の監督、サミュエル・ベンシェトリの息子。
サミュエル・ベンシェトリ『アスファルト』
photos:allociné

母親は女優のマリー・トランティニァン。ジャン=ルイ・トランティニァン(クロード・ルルーシュの『男と女』、最近の主演作は『愛、アムール』)の娘で、ベンシェトリと別れた後、一緒に暮していたロック歌手ベルトラン・カンタに殴打され、脳浮腫で2003年に死亡している。
ジュールは中性的な美青年で、これが初めての”大役”だけどカメラに向かって全く物怖じしない。カエルの子はカエルだ。
寡作ではあるけど、すごく笑えて、人間の温かさが残る作品。

『Asphalte』
サミュエル・ベンシェトリ監督
主演:イザベル・ユペール、ギュスターフ・ケルヴァーン、ジュール・ベンシェトリ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
1時間40分
2016年9月3日より日本公開
公式サイトはこちら



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コメント
素晴らしいキャスティング
西アフリカ、ブルキナファソという国に住んでいる和さん、いつも楽しく拝読しています。
それにしても、素晴らしいキャスティング。。。

Re: ブルキナファソの和さん
ありがとうございます。お返事遅くなりました。
この映画、おっしゃるように有名俳優を惜しげもなく使い、ナンセンスで可笑しいです。上映館は少なかったですけど日本でもかかりました。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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