テロの翌日、土曜日は美術館、映画館、ディズニーランド、デパートも閉り、「やむをえない用事以外、外出するな」とニュースで繰り返している。逃走したテロリストがいるし、まだショック状態で、街はひっそりしていた。
特にうちの界隈はどのテロ現場(スタッド・ド・フランス以外)からも近い。バイトに行った息子は「メトロがガラガラだった」。
夜、“やむをえず”パンを買いに行ったら、朝市の屋台の骨組みが建てられていた。「日曜日の朝市も中止」と聞いたけど、あるのかな?
日曜の朝、行ってみたら骨組みだけ、ガランとした風景だった。悪夢がウソのような秋晴れだ。

パリ同時テロ後、パリの様子

住民は午前中だけ開いているスーパーとピカール(冷凍食品チェーン)に押し寄せている。私たちも駆けつけた。
バスティーユ広場のカフェには人が一杯。“やむをえない用事”には見えないけど、みんな誰かと一緒にいたい、話したいのだ。

パリ同時テロ後、パリの様子

その気持ちは同じ。私もじっとしていられない。うちにいると何も手につかない。
娘も「ひとりじゃ宿題ができない」(親がいるだろう!)と友達の家に出かけていった。

パリ市内の献血センターには、怪我人に血を提供したいという人の長蛇の列ができた。

パリ同時テロ後、パリの様子

3時間待ちとか。夕方には「もう血は十分なのでまた次回に」と断られた人もいるそうだ。自分も何かしたいと自発的に思い、それを行動に移す人たちの多さに感動する。私もしたいけど、残念ながら赤血球が足りない。

レピュブリック広場はすごい人出と聞いて、午後、バタクランに花を置きに行った。
コンサートを聞きにきたばっかりに、友達をよんでカフェのテラスで誕生日を祝ったばっかりに、むざむざと殺された人たち、その家族・・・書いているだけで泣けてくる。犯人たちは人間の皮をかぶった怪物だ。
襲撃のあと、最初に会場にに入った特殊部隊のひとりが、「衝撃的だったのは、床に倒れた人たちの携帯電話が一斉に鳴っていたこと」と語っていた。被害者に若い人が多いのも痛ましい。

ヴォルテール大通りに出ると、ものすごい人、テレビの中継車で、バタクラン(左手にかすかに見える赤い建物)に近づくこともできない。

パリ同時テロ後、パリの様子

後から後から人がやってくる。花を持った人、ろうそくを持った人・・・聖地巡礼のようだ。

近所に住む友達に出会った。彼女も2人の子供がいる。「みんな無事?」「みんな無事、あなたのとこは?」と、抱きしめ合った。
彼女の体温が、背中をさする手の優しさが、心に染み渡る気がした。
生活は続いていく。続けていかなくちゃ。怖がって閉じこもっていては、犯人の思う壺だ。

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コメント
読んでて涙が出ます。
日本から、何にもできませんが、たかこさん、ご家族、ご友人、そして犠牲者の事をお祈り致します。
たかこさん、ご家族も無事でよかったです。怖い思いをされたりという事はなかったですか?
テロのニュースを聞いた時、もしやたかこさんがお住まいの近くでは?と心配しました。(バスティーユのマルシェに行くと本で読んでいたので)
献血センターの様子は、日本でもニュースでやっていましたよ。
でもカフェの大勢の人達の写真、ちょっとびっくりしました。
そうですよね、みなさん生活されているんですものね。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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