バタクランのコンサートで妻をなくしたFrance Infoのジャーナリストが、facebookに書いた文章を読んだ。
「金曜日の夜、君たちは僕の最愛の人、僕の息子の母親の命を奪った。でも僕は君たちを憎まない。君たちが誰なのかも知らないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。・・・・・
憎むなんてしたくない。憎しみに憎しみで応えたら、君たちと同じになってしまう。僕が怖がればいい、周囲の人たちを警戒の目で見て、自由よりも安全をとればいいと思っているだろう。残念ながらそうはいかない。・・・・・
今、僕は息子と2人きり、でも世界中の軍隊より強い。第一、君たちにこれ以上時間を割きたくない。メルヴィル(息子)がお昼寝から目を覚ます時間だ。17ヶ月のメルヴィルはいつものようにおやつを食べ、いつものように僕と一緒に遊ぶ。彼はずっと自由で幸せで、それを君たちに見せつけるだろう。でも憎みはしない。」

ラジオにちょこっと出てきたこのジャーナリスト、アントワーヌ・レリスは、
「息子に憎しみという感情を教えたくない。亡くなった妻と同じように、音楽や本を愛し、人生を享受する人間になってほしい」と、時々声を詰まらせながら話していた。

もうひとり、バタクランの窓から逃げようとして宙吊りになっていた女性-しかも妊婦-を助けた男性、最初は匿名を希望していたらしいが、ラジオのニュースに電話で応じた。名前はセバスチャン。

パリ同時多発テロ、バタクラン

「舞台の袖に逃げたら、そこは行き止まりで窓があるだけだった。窓から飛び降りようとしたけど、高すぎた。その時、下の窓にぶら下がっている女性に気付いた。彼女は道にいる人たちに助けを求めていたけど、下の人たちは撃たれないように逃げ回っていてそれどころではない。その状況にいたら誰だってしたように、僕はその女性を引っ張りあげた・・・」

セバスチャンはその後、人質に取られ、カラシニコフが突きつけられた1時間半を過ごす。
「悪夢という言葉でしか表現できない。子供の頃見た、怪物や悪人に追いかけられる悪夢そのもの・・・」
「あなたの話を聞いていると憎しみが感じられませんが」というキャスターの質問に、
「憎しみはない、あるのは感謝、今、生きていることへの感謝です。あの時、撃たれて死んでいても何の不思議もない状況だった」

最愛の家族を亡くしたり、悪夢から生き延びた人たちは犯人を憎んで当然と思っていので、エライ!とびっくりした。
この2人が信者でるかは別として、思想的背景としてのキリスト教からきているんだろうか?

月曜日のSimply Redのコンサートや、英仏サッカー試合を中止しなかったのを見て、ああ、レジスタンスをした国なんだと思った。
非常事態に直面したとき、国民は知らなかった一面、思いがけない強さを見せるものだ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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