誰が、何故、右翼FNに投票する?

結局、国民戦線FNは一地方の首長も取れなかった。なのに、マリーヌ・ルペンは、満面の笑顔で支持者たちの前に現れ、FNの得票数を「素晴らしい成功」「否定できない上昇」と自賛、「決然として勇気ある国民のみなさんに感謝」した。

マリーヌ・ルペン
photo:l'Express

これは負け犬の強がりでも誇張でもなく事実だ。
今回のFNの得票数は660万票。2010年の220万票に比べると記録的な大躍進。それでも叔母(マリーヌ)と姪(マリオン)が落選したのは、
① ヴァルス首相が、見込みのない左派候補者を撤退させ、右派に投票するよう呼びかけた“FNバリケード”が功を成した。
② 1回投票で棄権した人たちが、開票結果に驚き、2回目は投票所に行ったから(58%という投票率)。

最悪の事態は免れたけど、FNの恐ろしい躍進の理由はなんだろう?

国民戦線FNが労働者、商店経営の階級に支持者が多いことはご存知の通り。前回の大統領選では、バカロレアを持っていない人の30%がマリーヌ・ルペンに投票した。マリーヌは、この支持層にとってわかりやすい、一面的な演説をする:
失業率が高いのも、治安が悪いのも移民のせいだ→合法移民数の大幅削減、出生地主義(出生した地の国籍が与えられる)廃止。シェンゲン圏から撤退してヨーロッパの“放任主義”と決別。
フランスの経済についてドイツやベルギーから口を挟まれたくない→ユーロ圏から撤退。
自由貿易反対→「あなたたちはホルモン剤投与の牛と、アメリカのGMO(遺伝子組み換え生物)ばっかり食べることになるわよ!」
つまりひたすら孤立する政策。
近年、この労働者の基本支持層が会社員、公務員にも広がってきている。左派政権に失望した人たち。また、これまで右翼支持は圧倒的に男性が多かったのに、女性も増えているという。

不安なのは、18~24歳でFNに投票した人が増えていること。「なぜ?」という質問に答えた学生の、
「これまで右派(レ・レピュブリカン)に投票していたけど、現在の社会問題:失業、治安、世界紛争への介入などに何の解決ももたらしてくれないから」が代表的な理由。
右派を“左派”に置き換えても同じことが言える。つまり、右派左派が政権をとっても何も変わらない。一度も政権を取ったことがない極右FNに“賭けてみる”・・・

一度マリーヌ・ルペンに政権を取らせ(うまく行くはずはないから)支持者が失望するのが一番いいのかもしれない、なんて思うけどそれは危なすぎる。既に今回の選挙結果はヨーロッパを心配させているし・・・でもこのままでは躍進を続けそうだ。
左派と右派、しっかりしろ!

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Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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