ニースでタクシー運転手をしているサムソンは、ある日空港で美しい中年女性を乗せる。お互いに好感を持ち、2人は言葉を交わす。彼女は調香師でグラースに住み、娘が待つ家に帰るとこだ。家に着いたとき、お金が足りなくて「ちょっと取ってきますからコーヒーでも飲みませんか?」と彼女。サムソンはコーヒーは辞退してトイレを借りる。
その夜、彼女の娘が誘拐された。
トイレにサムソンの指紋があったことから彼に容疑がかかる・・・

フランス映画 レダ・カデブ

・・・聞くと、面白そうな予感がするでしょう?その上、主演のレダ・カテブは好きな俳優。
『ヒポクラテスの子供達』(2014)で、アルジェリア移民の孤独な医師がとても良かった。その前はジャック・オディアールの『預言者』、ウーサマ・ビンラーディン殺害ミッションを受けた特殊部隊の話『ゼロ・ダーク・サーティ』の冒頭、全裸で拷問される捕虜も彼だ。
独特の温かさと、いろいろ考えていそうな(哲学的な?)雰囲気があって、こういう友達がいたら・・・と思わせる。

批評がやけに悪いのも顧みず、この映画『Arrêtez-moi là/そこで捕まえてくれ』を観にいった。結果は・・・批評に耳を傾けておくんだった。

サムソンは“美しい中年女性”の後、酔っ払った女の子を乗せ、その子が車中で吐いた。彼は車を徹底的に掃除するはめになる。これが裏目に出て、トイレの指紋だけでなく、“誘拐の証拠を消そうとした”として(早くも!)手錠がかかる。

捜査に関わる刑事2人が無能を通り越して“クズ”なんだわ。

フランス映画 レダ・カデブ

誰でもいいから犯人を仕立てて“事件解決”にしたい。まぁどこの国にもそういう刑事はいるだろうけど、決定的なのは、誘拐事件なのに、誘拐された少女を探す、が全くスッポリぶっ飛んでいること。
弁護士がまたアホで(笑えるけど)重要な弁護ポイントをすべて無視。

フランス映画 レダ・カデブ

レダ・カデブは隅々まで上手いけど、どんな名優もこのシナリオは救えない。フランス警察と司法制度が“こんなにヒドイ”と宣伝しているような映画で、よく内務省から苦情が来なかった。ま、今、それどこじゃないだろうけど。
監督とシナリオ作家は撮影の最後になって「ヤバイ!“少女”を忘れてた」「もう時間も予算もない。このまま公開しちゃおう」ということになったのか?批評で言われるまで気付かなかったとしたら救いようがない。

レダ・カデブが好きで、結末が知りたい方はどうぞ!

Arrêtez-moi là
ジル・バニエ監督作品
主演:レダ・カデブ、レア・ドゥリュカー、ジル・コーエン
1時間34分
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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