管理職だった夫のサム(エドゥアール・ベール)が突然リストラに。以来サムは、息子のために作ったテントの中に立て篭もった。

2年後。貯えは底をつき、サムは相変わらずテントの中(でもテントは居間の真ん中にあり、お腹が空けば出てくるので“引き篭もり”と呼びづらい)。娘はピアノのコンクールを控えているのに、ピアノも売り払った。

妻マリー(サンドリーヌ・キベルラン)は一家4人を食べさせるのに四苦八苦。頭を絞ったサバイバル法が“お買い物サービス”。
娘は、上の階に住む老婦人のアパルトマンでピアノの練習をさせてもらっている。その代わりにスーパーで買い物をしてあげる。母親は、娘と一緒にスーパーに行き、老婦人の買い物リストと同じものを買う。先に払って出た娘がこっそりレシートを渡し、母親はレジを通らずにスーパーを出る。見咎められてもレシートを見せればいい(そういうテがあったのね!)
この作戦の弱点は、ひとり暮らしの老人の買い物なので、子供が好きなものがなく量も少ないこと。そして何より、子供を“盗み”に巻き込んでいることだ。
「ママンがやっていることは絶対しちゃだめよ」と諭したり、
「神様は全部見ているの。私たちのしていることは生きるために仕方ないと思ってるわ」と母親は支離滅裂。

娘役の女の子、不思議な美しさがあって上手い。

仏映画『Encore Heureux』

失業中でもテント暮しでも、子どもたちはパパが大好き

仏映画『Encore Heureux』

ある日、娘がピアノの練習をしている最中に、老婦人が急死した。とほぼ同時に、サムが金儲けの画期的な手段を思いついた、とテントから出てきた。一家の運命は急変する・・・

水曜に封切りになった『Encore heureux /まだ幸せ』

仏映画『Encore Heureux』

リストラ、欝、引き篭もりという重いテーマを、監督のブノア・グラファンは、奇想天外なおとぎ話に仕上げた。
信憑性はないけど役者がいい。2枚目と3枚目のキャラを使い分けるエドゥアール・ベールが、ボサボサ髪、無精ひげ、むくみ顔でクマみたい。自分の甲斐性のなさと、妻を失いたくない気持ちに-コミカルに-引き裂かれる。
ヒステリックに孤軍奮闘する母、サンドリン・キベルラン。この生活に、動かない夫にウンザリしながら、言い寄るお金持ちの男に心引かれながら、家族への愛情で繋ぎてめられている。
現実的な妻と、ファンタジーな夫(こういう男、時々いる!)。実はこのカップル、去年から実際にカップルになっている。

荒唐無稽なストーリーなのに、なぜか納得してしまう。愛情があれば何とかなる・・・

ENCORE HEUREUX

ブノア・グラファン監督作品
主演:サンドリーヌ・キベルラン、エドゥアール・ベール、ビュル・オジエ
1時間33分
フランスで公開中

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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