マイケル・ストーンは妻子のある50代の男性。『どうしたら彼らを助けられるか?』という営業マニュエルの著者だ。
このテーマで講演をするためシンシナティにやってきた。
はたから見ると、社会的にも私生活でも成功しているのに、マイケルは平凡な毎日に欝状態になっている。

突然別れた前のフィアンセを呼び出したり、息子のおみやげを買うのにセックスショップに入ったり、と奇怪な行動。
ホテルの部屋に戻った彼は孤独に押しつぶされそうになり、階の部屋を次々にノックする。

映画『ANOMALISA/アノマリザ』

たまたまドアを開けたのは、翌日の彼の講演を聞くため遠くからきた2人の女性だった。

映画『ANOMALISA/アノマリザ』

そのひとり、引っ込み思案でコンプレックスを持ったリザに、マイケルは惹かれ、自分の部屋に誘う・・・

映画『ANOMALISA/アノマリザ』
photos:allociné

マリオネットをストップモーションで撮っている。アノマリー+リザで『ANOMALISA/アノマリザ』。
なぜこういうテーマをアニメにしたんだろう?
答えは観る間にわかってくる。
マイケルを取り巻く人たち(タクシーの運転手、ホテルのボーイ・・・)がみんな同じ顔をしている。マリオネットの顔は、上半分、下半分別々に動くようになっていて、それが仮面のような、時に顔がバラバラになりそうな印象を与える。
狂気の崖っぷちにいるマイケルは、ミッシェル・ウェルベックの主人公を思わせる。
彼を取り巻く“悪夢のような”世界が、マリオネットだからこそリアルに伝わる、という不思議。
こんなの一度も観たことのない、すごい・・・

シナリオは『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』のチャーリー・カウフマンと聞いてなるほど。後者は、記憶除去手術を受けた男女(ジム・キャリーとケイト・ウィンスレット)の哀しいお話だ。
『アノマリザ』は今年のアカデミー賞、最優秀アニメにノミネートされている。これが取らなきゃ誰が取る?

ANOMALISA
チャーリー・カウフマン、デューク・ジョンソン脚本・監督
1時間30分
サン・ミッシェルのMK2ODEONでまだ上映中、お急ぎを!


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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