悪魔の弁護人、マリーさん

坊主頭、鋭い目つきのベルギー人Sven Mary/スヴェン・マリーが、先週金曜日に逮捕されたサラ・アブデスラムの弁護を引き受けた。11月13日のパリ同時テロ実行犯のひとり、唯一の生き残りだ。どこに弁護の余地があるんだろう、と思うけど、彼は、誰もが断るような凶悪犯を弁護することで、ベルギーでは有名人、週刊誌の表紙に載ったこともある。今回サラ・アブデスラムの弁護で世界的な有名人になるわけだ。

サラ・アブデスラムの弁護士

このマリーさん(という名前が全然似合わない)はすぐに戦略を打ち出した:私のクライアントはパリ警察に引き渡されたくないと言っている。第一、ベルギーはフランスの前に“跪く”のをやめるべきだ。

さらに予審中の秘密を公表したとして、パリ検事を訴える(百何十人という死者を出したテロリストがそういうことできるの?)これはサラ・アブデスラムが逮捕直後に、「スタッド・ド・フランスを爆破するつもりだった。でも中止した」と供述したのを、パリ検事フランソワ・モランがメディアに発表したこと。

パリ同時テロがブリュッセル近郊で何年も前から準備されていたのを、ベルギー警察が気付かなかったことで批難されている。その報復・・・
批難といえば、ドナルド・トランプは「ベルギー警察がサラ・アブデスラムを拷問していれば、ブリュッセル同時テロは避けられた」
この人の暴言、にも拘らずあの人気は腹が立つのを超えて恐ろしい。

マリー弁護士はサラ・アブデスラム弁護を決めてから、100通以上の罵り、脅迫メールを受け取っている。
火曜日は「テロリストの弁護をするなんて許せん」と路上で暴力を振るわれた。マリーさんは口が達者なだけではなく腕力もあって、相手を組み伏せたとか。
警察のボディガードは断ったけど、さすがに「同僚に迷惑をかけたくない」と弁護士事務所を一時閉めた。

木曜日、彼は戦略を変え「クライアントは一日も早くフランスに護送されたがっている」。
表向きの理由は「フランス警察に釈明したい」。3ヶ月後と言われていた引渡しがグンと早まり、4月はじめにサラ・アブデスラムはパリに連れてこられる。戦略変更の本当の理由は何なんだろう?

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


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