『追憶の森』は本当に大失敗作か?

青木ヶ原樹海を舞台にしたガス・ヴァン・サントの最新作『Nos souvenirs/追憶の森』、
主演がマチュー・マコノヒーと渡辺謙、と聞けば観ないわけにはいかないけど、批評がメチャクチャ悪い。
2015年カンヌ映画祭のコンペティション参加作品中、“群を抜いて最もけなされた作品”。“この作品の失敗に、観客は驚き悲しみ”、プレス上映ではブーイングになった。ル・モンド紙は、『中村たくみ(渡辺謙)のキャラにショックを受けた。“一時代前のアジア人のカリカチュア”だ』
『エレファント』『パラノイドパーク』『ハーヴェイ・ミルク』など反体制の優れた作品[好き嫌いは別として)を作ってきたガス・ヴァン・サントが、なぜこんな厚みのない、甘ったるいものを作ったのか?とラジオでも言っていたけど、それでも観たい。私はマゾか・・・

妻を亡くしたアーサー(マチュー・マコノヒー)は、死のうと決めて片道切符を買い、はるばる日本までやってくる。
目的地は自殺の名所とされている青木ヶ原樹海。中に入ると「ちょっと待て」「考え直せ」という看板が次々に。立ち入り禁止の縄を乗り越えて奥へ奥へ入っていくと、怪我をして弱っている日本人、中村たくみに出会う。彼は何としても樹海から出たいという。2人して寒さや大雨や濁流と戦い、中村を救おうとするうち、アーサーも生き延びようとしていた・・・

「ホラ、この道をまっすぐ行けば出口に着くよ」・・・しかし、樹海はそんなに簡単には出してくれなかった。

『追憶の森』ガス・ヴァン・サン

自分のコートを中村に貸してあげて寒いアーサー

『追憶の森』ガス・ヴァン・サン

2人で樹海を彷徨う間、アーサーのフラッシュバックが挟まれる:妻(ナオミ・ウァッツ)と口論が絶えない毎日(それも稼ぎの少ない仕事を選んだアーサーが原因の、根深く傷つけあう喧嘩)、彼女の病気・・・

『追憶の森』ガス・ヴァン・サン

そして彼女の死後、グーグルで「the best place to die 」と叩くと、一番上に青木ヶ原が上がってくる。「ここにしよう」・・・

観終わってすぐは-あまりに覚悟して行ったせいか-それほどひどくもないじゃない?
でも時間が経つうちに・・・やっぱりこれは失敗作だ。大筋は“ありうる超自然のストーリー”になりえたのに、細部まで変につじつまを合わせようとして信憑性が全くなくなってしまっている。薄っぺらい。樹海の自殺者たちの死体も、遊園地のお化け屋敷のようだ。
・・・でも観て後悔はしてない、というパラドクサル。それに、マチュー・マコノヒーはユニクロの赤いダウンがよく似合う。

Nos souvenirs
ガス・ヴァン・サント監督作品
マチュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ウァッツ
1時間50分
フランスで上映中

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コメント
中身の無いコラムに失笑
薄っぺらいのはあなたのコラム。樹海の自殺者たちの死体も、遊園地のお化け屋敷のようだ⇦実際に樹海の死体を見た事あるのかな?
アメリカでの評価でしか映画を判断出来ないならコラムなんて書くなよ。
Re:
なるほど!
この映画のあなたのご意見をお聞きしたいです。
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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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