しゃべりすぎる家電たち

日本ではことが何でもスピーディに運び、フランスのほうがグズグズと時間がかかる、と思っていた。でもその思い込みが裏切られる。
ウィークリーマンションWIFIのが繋がらなくて、サービス会社に電話した。10分以上も話して切ると、待ちかねていた娘が「ナンダって?」
「コンセント一度抜いて、10秒待ってまた入れろって」
「それだけのことになんであんなに長話していたの?」
「・・・・」
電話の相手は「恐れ入りますが、お客様のいらっしゃるマンション名を伺えますでしょうか?」答えると、
「ありがとうございます。恐れ入りますが部屋番号を伺えますでしょうか?」
答えると「ありがとうごさいます。恐れ入りますがお客様のお名前を・・・」
一度に聞いてくれたら良かったのに・・・
「つまり、すべてに『恐れ入りますが』と『ありがとうございます』がつくんで、話が長いのよ」と私。
「ふーん」
電話に出た人だって、何も好きでやっているわけではなく、”マニュアル”通りに繰り返しているわけだから彼のせいではなく・・・マニュアル作ったのは誰だ?

翌日、娘を居候させてくれる友達夫婦の家に行き、“家の使い方”を教えてもらう。彼らが北海道に長期バカンスに出かける間、一軒家まるごと貸してくれるのだ。
この家のマダムは料理がすごく上手で、キッチンには調理家電がいろいろ揃っている。レンジはIHクッキングヒーターなので、うちと一緒、わかり易い。ONを押して、タイマーをセットして・・・ところがそいつがいきなりしゃべり出した:焼き物ですか?揚げ物ですか?吹きこぼれ防止はしますか?・・・それにいちいちボタンで答えないと、加熱が始まらない。
語彙に限りがある娘は、「ナニ?ふきぼこれ ??」

2年前息子と一緒に来たとき、マンションのお風呂がいきなりしゃべり出して2人で飛び上がった。
今日では、お風呂はもちろん、IHヒーターも、食器洗い機まで「これから乾燥に入ります」と報告し、洗たく機はしゃべらないまでもプログラムが20種類くらいある。
すべてが“親切に”なり、細分化した分だけ、慣れていない私たちには、複雑になり時間がかかり、突然の声にびっくりする。
娘のメモ帳はぎっしり埋まった。「これをなくしたら死ぬ・・・」
フランスのお風呂なんて蛇口をひねるだけ、IHは吹きこぼれれば消えるだけ。家の説明なんて5分で終わる。あの原始的な簡単さが懐かしい。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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