Category : ニュース

「アッパレな完全犯罪!」

と捜査官が感心する。シャルル・ドゴール空港のゴミ箱で食料を探していたSDF(住居不定者)、たまたまターミナル2Fにあるドアに寄り掛かったところ、なぜかドアが開き、そこは現金輸送会社Loomisで、たまたま「ご自由にお取りください」という状態だった。

roissy sdf

17時20分、2つのカバンを下げてドアを出てくるのを防犯カメラが捉えたのを最後に、男は行方をくらます。2つのカバンには計30万ユーロ(約4千万円)が入っていた。

警察は最初、Loomis内部に共犯がいる計画的犯行かと思ったけど、どうやら偶然が重なった“棚ぼた”。
10日早いサンタクロースのプレゼントをゲットした男は50代で空港のお馴染だ。
捜査官もLoomisも「なぜこのドアが開いたかわからん」と頭をひねっているそうだけど、今頃頭をひねっても後の祭り。

でも、大金を持っていても住居不定だとアパルトマンを借りることもできないし、重い現金袋を下げて逃げ回らなくてはいけない。
ドロボーの身の上を心配するのもなんだけど、富裕者はますます富裕になり、貧困者が増える昨今。誰も傷つけず、何も壊さず現金袋を持ち去ったSDFに「逃げ切ろ!」と言いたくなる。

シャルル・ドゴール空港に“住んでいる”SDFは70~80人、冬場には90~100人になるそうだ。空港は暖冷房があるし、持ち切れない食品や、持ち込めない飲み物を捨てる人も多いはず。
今頃、みんなドアに寄りかかって試していたりして・・・

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“超インテリ”と国民的スターの死

バス停で若い男子たちがアカデミーフランセーズの話をしていた。「インテリのクラブみたいなもんさ、すごーくレベルが高い」と手を高く上げる。
5日に作家・哲学者、アカデミーフランセーズ会員のジャン・ドルメソンが亡くなり、テレビラジオネットで何度も報道されたせいだ。最古のフランス学術団体アカデミーフランセーズが超インテリクラブねぇ・・・

ジャン・ドルメソンは“名前と顔は知ってるけど、本は読んだことがない”人が多い作家で、いいことが書いてあるだろうけど難しそう、と私も読んだことがなかった。

ジャン・ドルメソン
photo:ouest-france

ドルメソンの追悼が終わらないうちに、5日夜中にジョニー・アリデーが亡くなった。6日朝からメディアはジョニー一色、過去の番組の抜粋、政治家・著名人のインタビュー、ジョニー邸に詰めかけたファンの声、代表的ヒット、女性歴(ジョニーと5人の妻)・・・と深夜までやっていた。

一番長く一緒にいた(20年)最後の奥さん、レティシアと。

ジョニー・アリデー
photo:gala

私は、フランスのロックなんて・・・と思っていたけど、今回、歌をまともに聴いたら「この人、すごい声してる!」
ちょうどラジオに声楽のスペシャリストだか先生が出てきて、「オペラ歌手のように日々練習した人の声。声を鍛えるだけではなく、それを“出す”身体も鍛えいた」。すぐにジョニーがロサンジェルスのジム通いのことを話しているインタビューに繋がれた:専属コーチについて毎日3時間、今日は腕、明日は腹部、と集中的に筋肉を鍛えてコンサートに備えている・・・努力家だったんだ。
彼はコンサートのパフォーマンスが見ものだったらしく、チケットは発売とほぼ同時に完売。バイクで登場したり、しまいにはヘリコプターで降り立ち、ファンが「鳥肌が立つ」演出だった。

ファンのひとり、70歳の女性はコンサートでジョニーにサインしてもらい、その型をとってタトゥーを入れた。「私が死んだときは火葬にしてジョニーの『Allumer le feu/火をつけろ』で送りだしてもらうことになってるの」

この週末エッフェル塔は「メルシー・ジョニー」と輝き、土曜日は凱旋門から出発してシャンゼリゼ大通りを下る葬列『Hommage Populaire/大衆の追悼』が予定されている。バイク好きだったジョニーのために500台のバイクが棺の後を走り、葬列はマドレーヌ寺院に着き、そこでミサがありマクロン大統領がお別れの言葉・・・という国を挙げての国民葬ショー。
これほど大掛かりなのは1885年5月に亡くなったヴィクトール・ユーゴー以来。凱旋門を11時半に出発した葬列はシャンゼリゼを下り、サンジェルマン大通り、サンミッシェル大通りを歩いて19時にパンテオンに到着。よく歩いたもんだ。

可愛そうなジャン・ドルメソン、彼の死や献辞のセレモニー(8日金曜日)がすっかり霞んでしまった。。
ジョニーのことを語る時“Populaire/大衆の”という言葉が頻繁に使われる。国民に近い大衆スターで(フランスの美空ひばり?)、パリマッチの表紙に頻繁に登場し、ファンのために自分のベストを保とうと努力をしていた。肺がん末期なのに、次のコンサートの予定をしていたそうだ。
ドルメソンの著作を読み、彼の死を悼む人たちの数とは桁が違う。

でもニュースをつけるとジョニーばっかりで「大衆がみんなファンだったわけじゃない」と息子。
「デヴィッド・ボウイが死んだときはショックだった。君のお陰でボウイを聞いて育ったから」

それにしても、こうやっていきなり特集番組を組めるということは予期して準備してたってこと。シラク前大統領の追悼番組は“前から準備できている”という話を聞いたっけ。


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日曜の昼過ぎ、モンパルナス駅の転轍機システムが故障して、電車は出発することも到着することもできなくなって完全にマヒした。
モンパルナス駅は、ボルドー、トゥールーズ、ブルターニュ、ロワール地方へのTGV、ノルマンディへの特急列車が発着していて、週末地方の実家に帰っていた人、逆にパリに来ていた人、観光客などみんな立ち往生。

モンパルナス駅マヒ

平均3時間遅れで、TGVが到着し始めたのは夜の9時過ぎだった。
払い戻しは2~3時間の遅延で50%、3時間以上75%というけど、他の線やバス、車の乗り合いでなんとかたどり着こうとした人たちには大いに不十分だろう。
モンパルナス駅は故障の前科があり、運輸相は「ありえない!」と激怒、翌朝SNCFフランス国鉄の社長を呼びつけたとか。

ニュースでは日本の新幹線が引き合いに出された。
「フランスのTGVは1時間に5分の遅れから“遅れ”とみなされる、つまり3時間の旅なら15分から“遅れ”とみなされます。一方日本のシンカンゼン(SひとつだからZと発音する・・・気持ちはわからないじゃないけどキャスターならちゃんと発音しろ)は1秒から“遅れ”になります。そしてプラスマイナス1分以内の定時運行率が95%!どうしたらこんなことができるんでしょう?」
フランス人にとっては殆どSFの世界。
鉄道専門家のような人がそれに答えて、
1.耐震設計で最新化の線路。
2.乗客がちゃんと整列して待ち、乗り降りの時間が最短ですむ。
3.ホームに車掌さんがいて発車の合図をする。
・・・からだそうだ。

11月半ば、日本のつくばエクスプレスが20秒早く発車し、鉄道会社が「大変ご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪したことがニュースがフランスまで伝わった:9時44分40秒に発車すべきを44分20秒に発車してしまった。でも乗り遅れた人はいなかった・・・
この話を友達にしたら、「早く出た?それは困る」
たしかに、フランスだったら乗り遅れる人が出るだろう。

Twitterの反応で、
「9時44分じゃなくて9時44分に発車したことを謝るの?行きすぎ」
「みんなもっとリラックスしたら?」
は同感。
フランス人のいい加減さと、足して2で割ったらちょうどよさそうだ。


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笑って怒ったニュースザッピング

ボルドーで“Serial creveur/連続切り裂き魔”と呼ばれていた男(45歳)が捕まった。切り裂いていたのはタイヤで、6年半で6000台12.000個のタイヤをパンクさせた疑い。一カ月に77台、一日2.6台。こうなるとお仕事だわね。損害額200万ユーロ(2億7000万円)。
防犯カメラで顔が割れ、数日前から警察に監視され、29日午前2時、スーツにネクタイ姿でウロウロしていたところを捕まった。
男の手口は、駐車している車の歩道側(見つかりにくい)のタイヤ(前輪と後輪)を先の尖ったものでパンクさせる。動機は「社会に復讐するために」と捜査官に語ったとか。
ボルドーのキャピュシーヌ地区はタイヤのパンク被害が絶えず、被害届1100件。2014年から犯人捜しの署名運動が始まっていた。
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28日前オランド大統領が、政治ユーモア大賞に輝いた。
有名な”ジョーク”は大統領就任後、最初の農業市。牛を「見たことがなかった」と騒ぐ子供たちとおしゃべりし、
「ニコラ・サルコジも見たことない」という男の子に、
「もう二度と見ないよ」
大多数は(私も)笑ったセリフをマジに取って反論したのは(もちろん)サルコジ派。
「それはオランドが決めることじゃない、国民が決めることだ」
「悪いジョークだ。大統領が口にすべきではない」
ムキになることないじゃない・・・

オランド前大統領、政治ユーモア賞
photo:Jean-Marc Haedrich/SIPA

「私のとる決断は、私ひとりで私と決める」
「クリスティアーヌ・トビラ(“すべての人に結婚”法案を通した法相)に敬意を表する。彼女は発言力がある、黙っていてもある」
などは、訳すとあまり面白くないけど、オランドさんの顔で言うと可笑しかった。

エマニュエル・マクロンが”La République en marche/共和国前進”を立ち上げたときは、
「歩く?(marche=歩行、行進)私は走りますよ!」

そういえば先週の日本の新聞で、自民党の竹下亘総務会長が、天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会に参加する国賓の同性パートナー出席に「私は反対だ。日本の国民性に合わない」と発言したのを読んでぶっ飛んだ。
竹下氏は例として、オランド前大統領がヴァレリー・と来日したとき、
「奥さんではないパートナーだという女性が天皇、皇后両陛下と並んで座るわけだから、どう対応しようかと宮内庁は悩んだ」
「 !!??」
だってこの2つは並べられないじゃない。同性のカップル云々は性的少数者への差別であり、後者は自国の法律に即した事実婚の国賓が問題だ。
カッカしていたら2日後に「言うべきじゃなかった」
「私の周辺にも同性のパートナーを持った人はいるし、普通にお付き合いしている。皇室を考えた時に日本人のメンタリティーとしてどうかなという思いがあり、言葉になって出た」
つまり批判されたから釈明したけど、本音は変わってないのだ。


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お医者さんもよく処方する咳止めシロップ&顆粒。
ブラックリストの筆頭は:
Bronchokod sans sucre toux grasse adultes(痰の絡む咳止めシロップ、ノーシュガー大人用)
成分のカルボシステインは去痰剤で、咳止めとしての有効性は実証されていない。2006年にHaute Autorité de Santé(健康権力機関)の意見により、健康保険が払い戻しを停止した。その上アルコールとパラベン(防腐剤)入り+副作用(下痢、胃痛、吐き気・・・)。害アリ効果ナシ払い戻しナシ・・・誰が買う?

処方箋ナシで買える薬


Exomuc toux grasse orange
Fluimucil Expectrorant sans sucre orange
この2つもお医者さんがよく処方する顆粒状の薬、処方箋ナシで買えたとは。どちらも合成のオレンジ味。前者と同じくカルボシステイン入りで咳止め効果ナシ。同じく健康保険が払い戻しをやめた。
お医者さんが知らなかったってこと?!

処方箋ナシで買える危険な薬

Toplexil Sans Sucre
Humex toux sèche oxomémazine sans sucre
オキソメマジン(抗ヒスタミン剤)入り、乾いた咳を止めるというシロップ2点。子供が小さい時(3歳から可)から何本Toplexilを買ったことか!大人用が今も3本くらいある(買ったのを忘れてまた買うから)。でも成分に害はなく、粘膜の渇き、目がかすむ、眠気など風邪薬によくある副作用。「次善の策として、時々夜飲むのはいい」そうで、ホッ、捨てなくていい。

処方箋ナシで買える薬

次に喉の痛み編。
Humex mal de gorge
2種の殺菌剤(リドカイン&ベンザルコニウム)入り、前者は局部麻酔薬でアレルギーの人は要注意。後者は喉の痛みへの効果が証明されていない。この手のスプレーは狙い定めないと上手く局部に届かず、舌に噴射して「ギャー不味い!」と、うがいしたり・・・私が方向音痴だからかと思っていたら「スプレーが局部に当たらないと効果がない」
私だけじゃなかった。

フランス、処方箋ナシで買える薬の危険


Angi-Spray mal de gorge
こちらも2種の殺菌剤(リドカイン&クロルヘキシジン)のコンビ。同じく局部麻酔薬(アレルギー注意)と効果が証明されていない殺菌剤。同じく局部に命中させるのが難しい。

Drill
Strepsils Miel Citron(蜂蜜&レモン入り)
この季節、薬局の目につく場所にズラリと並んでいる喉飴。喉が痛いといってひっきりなしに舐めている人がいるけど・・・上記と同じく効果が証明されていない2種の殺菌剤の組み合わせ。パスティーユひとつに2.5gの糖分(角砂糖半分)。
「それならふつうの蜂蜜かレモン入りの飴を舐めたほうが害がない」

処方箋ナシで買える薬

危険なリップクリームとか、害のある製品の検挙が相次ぐのは、私たちの日常が危険物質に囲まれているっていうことだ。
でもフランスで処方箋ナシで買える薬は約13%。スーパーで薬が買えるドイツでは44%、スェーデン41%・・・まぁマシと言うべきか。

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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