Category : 子供・猫・家族
「あんまり大きいの買わないでよ」
「わかってる」
「1m60くらい」
「もう3回聞いた」
やることはたくさんあるし、重いし、ツリーは娘とその友達に買いに行かせた。

フランスのツリーはノールマン/Nordmannと エピセア/Epicéaの2種で、前者が70%を占める。理由は持ちがよく、何より葉(フランス語ではaiguille/針と呼ばれる。なるほど針葉樹だものね)が落ちない。毎日掃除しなくてすむ。そのせいかやや高い。

20分後、果たして巨大なツリーを抱えて2人が戻ってきた。ドアから入れるのに苦労している。
「形が完璧なんで一目ぼれしちゃった。1m75だからそんなに大きくないよ。60ユーロだった」
15㎝高いと横幅も比例する。置いてみるといつもの倍くらいあるかんじだ。
「部屋が小さすぎるんだ」と娘の友達。
「ちょっと!部屋を大きくするより、もう少し小さいツリーを買う方が簡単と思わない ??」
怒っても後の祭り。それに確かに形がいい。“葉並び”がきれいで隙間がない。2人ともボザールだから美的センスは認めよう。

珍しく娘が手伝って飾り付けをした。私がツリーのてっぺんに星をつけようとすると、
「ダメ!それは最後」
「どーして?」
「星は神様だから」
「 !! アンタの口からそのセリフを聞くとは思わなかった」
娘は宗教にひどく懐疑的、宗教の名のもとに繰り返されるテロや、カトリック神父の小児愛スキャンダルで、それは深まる一方だ。突然、星は神様なんて・・・

ツリーが輝き出すと、たちまちクリスマス気分、楽しくなる。

クリスマスツリー

猫たちがデコレーションに飛びついて遊ぶかと思ったら意外と静か。タマは「そんなのは若いもんがすること」という顔。

tama noel

去年までガラス玉を壊していたリュリュもツリーの前で寝ている。猫たちが爪とぎに使って無残なソファ!
イリュミネーションを消すと、むっくり起き上がって「なぜ消した?」という顔で私を見る。

クリスマスツリー

・・・または上から眺めている。

クリスマスツリー

どうぞ楽しいクリスマスを!


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娘がアングレームから帰ってくると途端に洗面所がぐちゃぐちゃになる。アイシャドウやチークや保湿パック、細くて長い髪の毛が散乱して「洗面所、片付けなさい!」を連発することに。
いつかこの散乱状態を懐かしむ日が来ると思っているけど、まだほど遠い。

そして、身体の半分くらいある大きなバックパックを背負ってに発っていく。
「“いつでも止めていい”と思いなさい」と言われてから安心したのか、やや前向きになった。私だって、「いつでも別れられるでしょ」と言われて(最初の)結婚を決意した。実際に別れるのはそんなに簡単じゃなかったけど。
さて、ほぼ1週間に一度、3日間帰ってくるのになぜこんな大荷物かと言うと、まず絵の道具(けっこう重い)、洗濯した衣類、そしてタッパーウェアが4つか5つ(かなり重い)。
今回も、鶏もものカレー、子牛のクリーム煮、麻婆豆腐、ポタージュなんかがアングレームに運ばれて行った。
彼女はちゃんと洗ったタッパを持って帰ってくるからいいけど、回収できないのは息子の方だ。去年から友達と2人でアパルトマンを借りていて、よく食料調達に現れる。
一度は、「夜中にお腹が空いて何も食べるものがなかったんでギョーザを食べに来た。起こさなかった?」
目を覚ましてたら心臓マヒになってた・・・

「タッパ持ってきて !!」と何度SMSを送っても、「外にいたから」「時間がなかった」などの理由で手ぶらでやってくる。
時間がない?キッチンのどこかに積み重なっているタッパを紙袋に入れるだけでしょ??
しかし息子ののアパルトマンに行ってみて訳が判った。彼だけじゃなくて同居人の男子も実家からタッパを持ってくる。それぞれのガールフレンドもタッパに入れた料理を持ってくる。その結果、大小様々、出所不明のタッパたちが、トイレ( !!)の戸棚から溢れそうになっている。私は「手ぶらじゃ帰らないわよ」とタッパの識別をして5-6個回収した。
「洗った」というけど、トイレの戸棚でしょ・・・洗いなおさないと。

その次に寄ったとき、なんと息子は空のタッパをモノプリのエコバックに入れて準備していた。
すごい進歩!と満足してウチに帰ってエコバックから取り出したら・・・

tappa.jpg

身と蓋が全く一致しない。一致したのは2つだけ。リュリュが匂いを嗅いでいるってことは洗えてない。
息子にメッセージを送ると、
「君って絶対満足しない、それはよくない」
と逆に怒られた。

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親子離れ日記:ホームシック

「毎晩泣いてる ?! どうして電話しないのよ!」
「だって夜中の3時とかだもん」
「あ、そう・・・」
娘は小さい時から泣かないので有名な子で、「怒られても平然としている」と幼稚園の先生がぼやいていたくらいだ。
「変化が過激すぎた」と娘。
「うちから離れ、パリから離れ、家族や友達やボーイフレンドや猫とも離れ、夜8時になったら誰も歩いてないみたいな田舎に来ちゃって・・・」
順位から言えばボーイフレンドと猫のタマが筆頭だけど、私がむくれるので後にもってきたらしい。

それでも学校の授業が面白ければモチベーションになるけど、「かなりがっかり」
娘が今年6月まで通っていたのは、2年間でDMA(Diplôme des métiers d’art/アート技術ディプローム)を取得できる美術学校のひとつ。2年間で色々な画法、版画、製本・・・をみっちり教え、課題制作がひっきりなしに出て、先生が密着して意見やアドバイスをくれた。ところがアングレームのボザールは、課題が出て、
「では6か月後に提出してください。質問があれ僕の部屋に来て」
ところが“僕”は部屋にいた試しがなく、生徒たちはほっぽり出され、みんな勝手なことをやっている。
「その上、課題が何だと思う?『音』をテーマに漫画を描け!美術史は去年やったのと同じことだし(だからさぼる)、英語はシェイクスピアを読むだけだし(これもさぼる)、バンドデシネの先生は『タンタン』で止まってるし、唯一面白い授業は2週間に一度・・・」
自分はここで何をしてるんだろう?と思っても、アパルトマンを契約し、トラックで引っ越ししたあげく「“やめたい”なんて言えない」
「そんな!鬱になったらどうするの?年末までとか期限を決めて見切りをつけたほうがいいよ。時間の無駄」
時間だけじゃない。家賃や光熱費、TGVの往復・・・その上、タマは愛情不足を食べ物で補おうとしてまた太った。

tama camille

娘の心配は、やめたらどこにも行くとこがなく(途中編入はできないから)もっと路頭に迷うんじゃないか・・・それもわかる。
「とにかく。いつでもやめられると思えば、少しは気が楽になるでしょ。やめたって研修とか見つかるわよ」
「そうだね」
娘は“じゃ明日帰る”と電話を切った。

ヤレヤレ・・・フランスの格言『小さい子供、小さい心配。大きい子供、大きい心配』、よく言ったもんだ。


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親子離れ日記

娘はスーツケースを引きずって帰ってくる。中身は洗濯物と空のタッパーと絵の道具。
日曜に発つはずが、
「月曜の朝の美術史はもうやったことばかり、先生もつまんないからさぼる」
「・・・」
「午後は“瞑想の会”があるんだって」
「何それ?」
「さっきメールでお知らせが来たの。1時間、瞑想すると自分の姿が見えてくるんだって」
「あなた、学校じゃなくて宗教団体に入ったの!?」
「そうだね、行かない。じゃ月曜の夜のTGVね」
彼女は携帯であっという間にTGVを変更する。TGV MAX(一か月79ユーロでTGV乗り放題のパス、ただし16~27歳)は変更・キャンセルただなのだ。

月曜の夕方、さらに重いスーツケースを引きずって発っていく。洗濯済みの服とぎっしり詰まったタッパー。今回はポタージュ、ラタトゥイユ、ハンバーグ、鶏のバスク風、トンカツ、チリコンカン・・・をアングレームまで運んで行った。
食べることが大好きな子、彼女が発ったあとの冷蔵庫の空っぽさにしばし呆然となる。
その後数日は、
「〇×は冷凍できる?」
「××はいつまでに持つ?」
というSMSを頻繁に送ってくる。
かと思うと、切羽詰まった声で
「水道料金を払ってないんで水を止めるって通知が来た、どーしよう!?」
「それ脅しよ。料金払わなくても水を止めるのは禁じられてるの」

電気・ガス料金は「2週間以内に払わないと止める」という警告が来て、それでも払わないと止める(または供給量を減らす)ことができる。ただし11月1日~3月31日のTrêve hivernale(冬季休止期間)は電気・ガスを止めてはいけない(凍死の危険!)。
同じ理由からこの期間は家賃を払っていない住人を追い出すことも禁じられている。寒い国の知恵。
生きていくのに必要不可欠な水はというと、一年中止めてはいけない。

11月に入ったから、何も払わなくても追い出されたり止められたりしないから気にしない!とは言えないので、
「きっと前の住人から変更になってないのよ、電話してみなさいよ」
果たして変更されてなかったそうだ。

一人暮らしを始めたばかりの娘は、「生活するのってこんなにお金がかかるって知らなかった」(払っているのはこっちだけど)。
電気ガス・水はもちろん、インターネットも電話も“当然ある”ものだったのだ。私だってそうだった・・・


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ロベールの初仕事

アルバイトの“営業”に来て以来、果たしてロベールは毎日電話してくる。誰も仕事を頼んでくれないと嘆く。
「今日は(今日も!)頼むことないわ、ごめんね」
どうして私が謝るの?と思いつつ、何か手伝ってもらうことなかったかなぁと考える。ミニチュアカーを買いたい、と言っていた。貢献したいもんだ。

ついにある晩、ロベールに電話。
「モシモシ、アルバイトのこと、お母さんは知ってるの?」
「うん」
「宿題は?」
「やった」
「じゃ、20分後にモノプリの前に来てくれる?買い物、持ってほしいの」
「うーん・・・今夜は難しい」
時間は19時半だった。
「わかった、じゃまた頼むね」
「それはあまりに残念だ。ちょっと待って!」
ママン、お願いねぇお願い!と懇願する声が聞こえ、
「大丈夫、服着てからすぐ行く!」
やだ、もうパジャマだったの・・・

先に着いた私がヴィネガーやオイルや8個パックのヨーグルトや重いものを買っていると、時間通りにロベールがやってきた。
「はい、じゃ今からね」と携帯のストップウォッチを押す。来るまでの時間は入れてないのね、なかなか良心的。
買い物が済むと、彼はセルフのレジに行き、慣れた手つきで次々バーコードを読ませる。私は払うだけ。
ニコラでワインを2本買い、ロベールは両手に荷物を持ち、私のケータイで遊んでいる。うちに着くと、
「20分しか経ってない」
「20分でも5ユーロよ、タクシーだって最低料金があるでしょ」と言うと、顔がパッと明るくなった。
「ところであなたが欲しいミニチュアカーっていくら?」
「275ユーロ」
「 !!??」
私はせいぜい50ユーロくらいと思っていた。
「つまり30分のサービスを55回やらなくちゃいけないってこと」
ちゃんと計算してるんだ。
ロベールは5ユーロ札を受け取り、
「じゃーね、いつでもお申しつけください!」
と叫ぶと駆け出して行った。
あと270ユーロ・・・ミニチュアカーはまだ先の先だ。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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