Category : パリ雑記

“まだ嫌いじゃない”クリスマス

「胃は重いけど、家族との集まり(クリスマス)は終わりました。すでに過去のことです!あとは友達と騒ぐ年越しを待つばかり・・・」と26日のラジオ。
クリスマスが憂鬱な人がそんなに多いってこと。お正月が憂鬱な日本人も実は多いかもしれない。
その理由の圧倒的一位は“家族”。
家族のいない人、断絶している人は、家族が集うこのお祝いに孤独感を募らせ、
家族で集まると、思い出したくないことが浮上して口論になったり、落ち込んだりと言う人は多数。
それぞれ親が離婚して別のパートナーと暮らしているカップルは、計4回クリスマスをする羽目になり、胃が持たない・・・

先週会った友達は「姉貴と会うのが気が重い。言われたくないことをグサッと言う人なんだ」
「例えば?」
「息子が就職決まって喜んでいたら『もっとマシな職につけなかったの?』とか、僕には『そんな体型でよく我慢できるわね』(彼は小太り)とか・・・」
“姉貴”は2度離婚して今はひとり、2人の息子は遥かかなたの外国に住んでいて、クリスマスにも帰ってこない、というから“原因と結果”が明らかだ。
うちは、今年はディジョンの義妹の家で祝う番。義妹は料理が嫌いで(夫と私でするしかない)、魚は一切食べず、息子の一人はベジタリアン(メニューが難しい)。
一泊だからパジャマと歯ブラシだけ、と思ったら、料理の一部や、プレゼントを持って行かなくちゃいけないのに気づいて、けっこう大荷物になった。
リヨン駅(パリの)はクリスマス帰省で人が多い。
「ここでテロに遭いたくない」と娘。
「どこだって遭いたくないわよ」
「プレゼント開ける前に遭いたくないってこと!」

プレゼントを待ちかねる子供たちがいる限り、クリスマスを好きでいられる・・・

image1(1).jpg

7人で交換するとこの数になる・・・

ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

またギリギリでプレゼント選び

「クリスマス、何か欲しいものある?」と義妹に電話すると、
「うーん、よくわかんない(毎年同じ答え!)化粧ポーチとかな・・・」
「化粧ポーチ!そんなのモノプリで15ユーロで買えるじゃない。大体、化粧ポーチなんて自分で選んだほうがいいでしょ」
「そういえばそうね・・・じゃ何か選んで」

もしかしたら画期的なポーチがあるかも、とル・ボン・マルシェに赴いた。

ボン・マルシェ

5年くらい前までこのデパートは面白かったけど、最近「高いものだけ揃えました」という感じで、あまり来なくなった。値段を見るとだんだん腹が立ってくる・・・

果たして化粧ポーチなどという安物は見当たらず、じゃBHVに行くか、とバスに乗る。
ポン・ヌフまで来たら、何の断りもなく「ここで終点です。次のバスをお待ちください」と乗客全員、寒風の中に降ろされた。
次のバスを見ると11分後!歩こうか?でも寒すぎる・・・と迷っていると、停留所前のウィンドウに目が留まった。ここにこんな店あったっけ?
お弁当箱に似ているけど何だろう?

portega.jpg

入って尋ねると、イタリアのPORTEGOというブランドのBoutique éphémère(ポップアップ・ストア)。
お弁当箱に見えたのはジュエリーボックス。蓋が鏡になっている。
義妹へのプレゼントにいいかも!
すぐ甥に電話して「あなたのお母さん、イヤリングたくさん持ってるけど、どこにしまってるか見てきてくれる?」
甥は義妹の部屋に侵入し「あっちこっちにある・・・バラバラ」
「大変よろしい」

団扇の形の鏡も素敵。桜の木で作っているんだと。

portega3.jpg

少し迷ってオレンジのジュエリーボックスに決める。190ユーロ。
お店の人は(当然)イタリア人で、フランス語の混じったイタリア語を話し、
「ここ23日までだし、ノエルだし・・・20%オフにしてあげる」
私はご機嫌でお店を出た。バスが突然止まったおかげでプレゼントをひとつクリア。
いいも悪いも、まったく一寸先のことはわからない・・・

どうぞ楽しいクリスマスを!


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村





失敗の大切さについて

ラジオを聞いていたら、哲学者(名前は忘れた)が“失敗の大切さ”について語っていた。
失敗のスペシャリストである私はナニナニ?と耳を傾ける。
「例を挙げましょう」と哲学者。
「旅行中の妊婦が突然産気づいて、産院に行く暇がなく、近くの納屋に転がり込み、助産婦もなしで家畜の隣で出産しました。男の子です。その男子は長じても定職につけず、結婚もせず、SDF(住居不定者)で、あちこち徘徊し、30歳でひどく残忍なやり方で処刑されました。
これほどまで失敗の連続の人生もないでしょう。ところが男は死後、世界的に有名になり、彼の言葉が語り継がれ、あがめられています。ね、失敗がどんなに大切か・・・」
私は吹き出した。そう!キリストのこと。なるほど、事実関係だけ並べるとキリストの生涯はこうなるんだ。
私のは「知る人もないパリに、ひとりでやってきた無謀なバツイチ日本女子、ブラック(不法)で働くうち、やはりバツイチの仏男性と出会い、子供ができたんで慌てて籍を入れました。間もなく引っ越した家は沼地にあるので家屋が傾いたり、ドブネズミが出没し・・・」ということになる。
キリストと比べて安心するわけじゃないけど。こういう例を出す哲学者もふざけたオジサンだ。

バツイチの2人、昨日が26回目の結婚記念日だった。それを2人とも忘れて友達を食事に呼び、間際で気づいて「君が何も言わないから」「あなただって忘れてたくせに!」とののしり合ったのである。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村


息子から回ってきた本。ジョナサン・トロパーの『Perte et fracas』(荒々しく)

ジョナサン・トロパー仏語版

服と本を買う時だけ「時間ある?」とお誘いを受けるから、この夏一緒に買った本の一冊が、友達の手を経て、やっと私のもとへ。

邦訳タイトルは『ぼくが妻を亡くしてから』。表紙の雰囲気もすごく違う。

ジョナサン・トロパー『ぼくが妻を亡くしてから』

アメリカ人作家で、原題は『How to Talk to a Widower』だから、仏語タイトルはかなり“荒々しく”変えている。

アマゾンの【内容】によると、
『周囲の反対を押しきり、11歳年上の美しいシングルマザー、ヘイリーと結婚したダグ。が、わずか2年後、彼女は事故で亡くなってしまう。その死から1年が過ぎても、ダグは悲しみとやり場のない怒りにとらわれたきり自分の殻に閉じこもっていた。そんな折り、ある事件がきっかけで彼はヘイリーの息子と一緒に暮らすことを決意する。同じつらさを抱えた者同士の生活のなかで、ダグはふたたび生きる道を探しはじめるが…突然愛する女性を奪われた男が、義理の息子や家族の絆を通して希望を見出していく、愛と再生の物語』

これだと、ひたすら悲しく勇気づけられる物語みたいだけど、実はかなり可笑しい。
ダグの家族-認知症だけど時々以前より明晰になる父親、独自の価値観で生きる母親、滅茶苦茶セクシーで美人の双子の妹-の描写が可笑しい。妹の企みで、独身の女性候補者と“お見合い”するシーンは、会話だけで相手のキャラが浮き彫りになる。
亡妻の息子ラスとヘイリーのお墓詣りに行くと、
“お墓の前に座って、亡き人に話しかけるというのはどう考えてもばかばかしい。もし死後の世界があり、死者が私たちの言うことを聞けるなら、どこでも話ができるはずじゃないか?お墓じゃないと、『電波が届かないところにいます』で通話できないとでも?
とにかく、もし僕が幽霊だったら、自分のお墓には絶対出ない。ふつうの日だって鏡を見るのが嫌いなのに、腐敗していく自分を見るなんて、ノーサンキュー“
深夜にひとり笑い。私だって化けて出るなら、墓地以外を選びたい。

ベースは傷心の物語だけど、一捻りあるユーモアが散りばめられていてメロになっていない。

それにしても、これほどヘイリーを愛したダグ、これほどダグに愛されたヘイリー・・・リタ・ミツコが歌っているように“恋物語は大概、悪い結末”だけど、その恋を生きたことを後悔しないものだ。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村


あれから1年経つんだ・・・11月13日の連続同時テロ。
スタッド・ド・フランスでは試合が再開され、11区のレストランも前のようなお客数になっている。
死者90人、怪我人130人を出したバタクランだけが扉を閉ざしていた。あのコンサート会場の前を通るたび、テレビの実況にかじりついていた夜が蘇る。

バタクラン再開

1年後、11月12日(土)にバタクランが扉を開ける。全面改装(以前通りに)され、ステージに立つのはスティング!
「事件直後の最優先は犠牲者(とその家族)に話すことだった。メディアへの沈黙も、犠牲者たちの苦痛を考えたからだ。1年後の今日は、バタクランが生きていること、前進していることを世界中に見せなければならない」とディレクターのジェローム・ロングレ。
テロ当日、コンサートをしていたイーグルス・オブ・デスメタルも申し出たけど、犠牲者にとって生々しすぎる、と断ったそうだ。

その役目を買って出たのがスティング。ポリスのバタクラン・コンサートから37年後。

バタクラン、スティングのコンサート

彼は1サンチームのギャラも受け取らず、売り上げはすべて2つの犠牲者アソシエーションに贈られる。
チケットは8日(火)の朝からバタクラン公式サイトで発売。
・・・というニュースは11月4日、つまりかなり直前に発表された。
その日からチケット買いのスターティング・ブロックに立った私。
「バタクランの前に並んだら?」と息子。
「明け方から?」
「寝袋持って前夜から行くべき。スティングなら僕も行きたい」
彼は、ポリスとデヴィッド・ボウイとクィーンを聴かされて育ったという。いい教育じゃない。
でも私に並ばせて?この寒さにそんなことできるか!第一、サイトでしか売らないみたいだ。

8日朝10時発売と聞いて、10時前からバタクランの公式サイトへ。
「夥しいアクセスのため、少々お待ちください」とサイトは表示すらされない。4%・・・6%・・・読み込みのパーセントを時々見ながら、表示されたときは「完売」なんだろうな。1500席だし、犠牲者たちは招待される。
果たしてその通り。なんでも30分足らずで完売したとか。

行けなくても、バタクランが蘇るのは素晴らしい。前を通るとき気持ちがざわめくのは変わらないだろうけど。


ランキングに参加しています。クリックしていただけたら嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村




プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

カレンダー
02 | 2017/03 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最近の記事
カテゴリー
おすすめ書籍
RSSフィード
おすすめコスメ
フランスに行くなら
プロヴァンスの田舎町をまわる1日
アーカイブ