Category : パリ雑記

バカロレア哲学、何を書けばいい?

この時期になると子供たちのバカロレアを思い出す:
あまり勉強しているようには見えなかった息子が発表を見に行き「受かってた!」 電話の声がまだ耳に残っている。
けっこう勉強していたのに「落ちたらどうしよう・・・」と繰り返していた娘。こっちも「落ちる方が難しいって(合格率は90%近い)」と繰り返すしかなかった。

木曜日、恒例の哲学の試験でスタートした2017バック。

2017バカロレア
photo:Europe1

問題:
バカロレアL(人文系)
1. 観察するだけで知ることができるか?
2. してもいい権利があることはすべて正しいか?
3. ルソー『人間不平等起源論』の抜粋を解説

バカロレアS(科学系)
1. 自分の権利を護ることはすなわち自分の利益を護ることか?
2. 自分の文化から自由になることは可能か?
3. 『ミッシェル・フーコー思考集成』の抜粋を解説
・・・から選んで、4時間で展開する。

この中で少しでも書けそうなのは「自分の文化から自由になることはできるか?」(ノンだ)
ちょうどラジオで、哲学の先生がこの問題にどう答えるかの一例を解説していた。
1. 前提として、私たちは自分の文化に“幽閉”されているか?“自分の文化”とは何を指すか?
2. いや、幽閉されてはいない。私たちは旅をし異国に滞在することで、他の文化に触れ、その中で生活することができる。
3. しかし。文化(民族、宗教、階級・・・)は今日の自分を形成しているもの、自分のルーツである。従ってそれを切り捨てることはできない。
4. 文献の参照、例えばモンテスキュー『ペルシャ人の手紙』
*宮廷の政争にうんざりしたペルシア人ユスベクが友人リカとともにパリに住み、そこから故国の友人や愛人と手紙を交換する。ユスベクとリカの手紙には、当時のフランスの風俗、政治、思想への批判や風刺が綴られる。

なるほどねぇ・・・私が書いたら20行で終わってしまいそうだ。
今年の哲学は「“幸福”が出る」という前予想で、果たしてバカロレア・テクノロジーに
「幸福を見つけるためには探さなければいけないか?」
試験会場から出てきたところインタビューされた女子は、
「簡単だったわ( !?)幸福は恋と同じで、探しても見つからないのよ」
それで何枚書けたんだろう ??


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5月27日から始まったラマダン、イスラム教徒の断食期間。夜明けから日没まで飲まず食わず(水もダメ)、でも仕事はするので、大変だなぁと眺めていたら、この断食期間に太る人が多い、食費は+30%、総額3億5000万ユーロと聞いてのけぞった。

売り上げトップはブリック(小麦粉の皮)、デーツ(ナツメヤシ)、発酵乳、断食明けの夜食に欠かせない3食品。ツナの缶詰も普段の4倍以上の消費。そういえばこの前作ったブリックとチュニジアサラダ、どちらにもツナが入っている。

ラマダンは聖なる月で、お祝いでもあるから、日没後の食事は盛大で大量だ。3時間前から料理に取り掛かり、日没と同時にヨーイドンで延々と“食い溜め”をする。朝と夜しか食べないお相撲さんが太るのと同じだ。
娘は、ラマダンの時期にチュニスの友達(イスラム教徒)宅に滞在した。その年はラマダンが夏休みと重なったので、若い子は夜明けギリギリまで食べて、日中は寝ていたそうだ。日中、断食せず、夜は果てしない夜食に付き合っていた彼女は当然太って帰ってきた。

この“ラマダン中の食費増加”に目をつけたのが大手スーパー。ラマダンはここ5-6年、バカンスと被っていて、期間中にお里帰りするイスラム教徒が多かった。今年は丸ごとバカンス前、つまり3億5000万ユーロはフランスで消費される!
Intermarché/アンテルマルシェは「オリエントの市場」
Leclerc/ルクレール「オリエントの美味」
Auchan/オーシャン「オリエンタルの味をお手頃価格で」

ラマダン

おお!これは客寄せになるであろう・・・

ラマダン

ラマダンを謳っていないキャッチで、一般のお客にもアピールしようとしている。
ムスリムファッションを始めたブランドもあるし、すべてはビジネスに・・・


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「アディシオン、お願いしまーす!」といくら叫んでも、ギャルソンはわざとのように目を合わせず、なかなかやってこない、ということがよくある。
単に、食べ終わった人は後回しになっているんだろう、と思っていたら、意図的にグズグズしているらしい。お勘定がなかなか来ないと、じゃもう一杯飲もうか、とかデザート(を取っていなかった人は)頼もうか、になるのを期待して。

仏レストラン

パン籠をなかなか持ってこないレストラン。これも意図的とか。パン(無料)でお腹を一杯にせず、チーズやデザートを取らせる・・・

さらにワイン。ワインリストで「これ」と頼む場合はいいとして、
「グラス(またはカラフ)の赤は何があります?」と聞くと、
「コート・ド・ローヌのなんじゃら、ロワールのかんじゃら、ボルドーの・・・」と早口で並べ立てる。過半数の人は、始めに言われたのを覚えていないので、最後のワインを頼む・・・ので、最後に一番高いワインを持ってくる!敵もよく考えたわね。

ま、こういう画策は高級レストランではやらないだろうけど。
従って、お客としては:
-ワインの名前を羅列されたら「では、もう一度最初から」という勇気を持ち、
-パンが来たらむさぼり食い、
-お勘定が来なかったら、立ってレジに赴く、
という対策で臨まなくてはならない。そうするとサーブした人へのチップはナシだもの!


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急に不機嫌になった訳

パリでは珍しいこの青空、この暑さ。地下に潜るのはもったいない、とバスに乗ることにした。
音楽を聴きながらバスで行く、ご機嫌!ところが乗ったとたん、Navigo(定期)を忘れてきたことに気づく。昨日の夜帰ったとき、ブルゾンのポケットに入れていたんだ。でも取りに帰っていたら大幅に遅刻する。キセル摘発の職員が乗ってくる可能性はどのくらいだろう?・・・
なんだか悪い予感がして切符を買うことにする。買って座ったとたん、他のお客と一緒に2人のキセル摘発係が乗ってきた。
その時、機械で切符にパンチを入れるのを忘れたことに気づいた。

こういう感じで、どこからともなく現れる。

maxresdefault.jpg
photo:youtube

そこでお客を掻き分け、ダッシュして機械まで走ればよかったんだけど、反射神経は私の持っていないもののひとつ。
ヤバい、と思ったとき、摘発係はすでに目の前にいた。
「あのーパンチを入れるのを忘れて・・・」
「それも罰金対象です。35ユーロ」
「でも切符は買ったのに・・・」
「同じことです。なんで払いますか?」
「今日は稼ぐぞ!」と決めたらしい摘発係は交渉の余地なし。

前に捕まったのはフランの時代、だから15年以上前?当時たしか70フランだったから3倍に値上がりじゃない?上げすぎ!
うちに帰って怒りをぶちまけると(ま、自分が悪いんだけど)果たして、
「すぐ機械まで走ればよかったのに!」
次回から心がけます・・・


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エールフランスのせい?

一年に一度、JALでパリに来る友人が「マイレージ使ってビジネスで来れちゃった」というのを聞くと、エールフランスのマイレージに原因があるのでは? と思えてくる。
パリ-東京を比べると、JALやANAより高い。組合が強くてしょっちゅうストをやっているし、料金だけじゃなくて、なんか“お高い”。

何年か前、娘と2人、夜11時の便で発つとき、早めに空港に行って夫と息子とみんなでご飯を食べようということになった。8時すぎに着いたら、チェックインカウンターがまだ開いていなくて、レストランに直行。ワインとってゆっくりご飯を食べて、ハタと気が付いたら10時すぎ。カウンターに駆けつけたら、エコノミーのチェックインは終わっていた。ビジネスとファーストクラスのまだ開けているので「そこからチェックインできませんか」と聞いたら「ノン」
「入り口が違うだけで同じ場所に保管されるんだから」と夫も言ってみたけど頑なにノンだった。荷物もファーストとビジネスは扱いが違うっていうの ?!

結局その便には乗れず、ひとり100ユーロ払って翌朝8時の便に乗ることに。
悠々とご飯を食べていた自分たちを恨み、エールフランスの“階級主義”を恨み、翌朝の5時起きを恨み・・・
翌朝、飛行機に乗って、ファーストクラスとビジネスクラスを横目で見ながら、自分たちの席に向かうとき、
「いつこっちに乗れるの?」と娘。
さぁいつでしょうねぇ・・・


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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