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フィジャックにはシャトー・ヴィギエ/Château Viguierというお城がある。
2008年、ロト(宝くじ)で1000万ユーロ(約11.5億円!)を当てた男性が、700万ユーロでこのお城を買い、改装工事をして4つ星高級ホテルをオープンした。部屋は当時で299ユーロ~699ユーロ。


シャトー・ヴィギエ、フィジャック

シャトー・ヴィギエ、フィジャック

この男性、ダヴィッド・フェーヴルは、ホテル業はシロウトで、「高いクオリティとおもてなしを提供すればお客は来る」と信じていた。場所がパリでもニースでもなく、フィジャックということを忘れていた。サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者たちの多くは、ジットと呼ばれる簡素な宿泊所に泊まり、フランス人はケチだ、ということを忘れていた。

結果、ホテルはガラガラ・・・フェーヴルさんは外国人をターゲットにすべきことに気づき、NY、東京、モスクワの旅行サロンに赴き、ネット上での宣伝にもお金をかける。「日本人が大勢来た」そうだけど(本当かな)長くは続かなかった。客室稼働率は最高で25%(自称)。
2010年、2年足らずでホテルは扉を閉め、売りに出された。売値は790万ユーロ。
しかし、2年間の間、フェーヴルさんは、“この町で高級ホテル経営は失敗する”を実証したようなもの。買い手はつかない。値段は少しずつ下がり、2016年、半分以下の320万ユーロに。でもまだ売れていない。1000万ユーロの残りはとっくに底をついているだろうに・・・

突然、巨額の富を手にし、通りがかったお城に“一目惚れ”すると、こういうことになる。
市場からの帰り道、義妹が「ほら、あれがシャトー・ヴィギエのオーナーの車よ」と言うので、振り返ると、とんでもないペインティングをした赤いクリオ。残念ながら、フェーヴルさんの顔は見えなかった。


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8月の長い週末:フィジャック

フィジャックは、南西フランス、ロット県にあり、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にある町(ピレネー山脈を越えて、キリスト教の聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラに至る巡礼。フランスだけではなく、世界中から巡礼者が通過する)。
パリから車で8時間かけてやってきたのは、巡礼者と一緒に歩くためでは全くなく、義弟夫妻に会うため、彼らが始めたションブル・ドット(民宿)を訪ねるためだ。

夫の弟、ジャン=ルイは、もと弁護士。有能だったのに、遊び好きで稼いだお金を全部使ってしまい、税金を払わなかったりして、弁護士を辞め(させられ)、ドーヴィルの近くでクラブを経営を始めたが、飲みすぎと過労(夜更かし)で黄疸になった。

独身で、“正規の彼女”は数年ごとに変わり、並行して一時的な恋人もいた。ある夏など、2人の彼女に、同じ日にバカンスに発つ約束をして、出発当日、実家に隠れるはめに。お母さんが「さあ、どこにいるんでしょうね・・・」と電話応対をさせられた。

50歳のとき、かって弁護したコルシカ女性(未亡人)と一緒になり、パリにコルシカ料理のレストランを開く。プラザ・アテネにいた料理人をシェフにして料理は美味しく、開店翌年にはミシュランにも掲載されたのに・・・従業員の雇いすぎ(つまり、働かなすぎ)で大赤字になり閉店。
2年前、フィジャックに家を買って、ションブル・ドットを始めた。もと弁護士だから口が達者で、話が面白く、サービス精神があって接客業には向いている。しっかり者のコルシカ・マダムが同じ失敗を繰り返さないように目を光らせ、今度はうまく行っている。

セレ河のほとり、13世紀から15世紀の建物が多い。人口1万人の町、フィジャック

フィジャック

“民宿”という名称が似合わない立派な民宿。4階建て400平米の建物を38万ユーロで買った、という信じられない話。パリでは20平米のスチュディオの値段だ。

フィジャック、ションブル・ドット

最上階の部屋はバスタブが部屋の中にある。カップル向き。一泊朝食つき85ユーロ。

フィジャック、ションブル・ドット

この風景を見ながらお風呂に入れる!

フィジャック、ションブル・ドット


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8月の長い週末:ベルリン VS パリ

その大きさ:ベルリンは、どこまで行っても、“ここは郊外に違いない”という風景になっても、まだ市内だ。パリの8倍の面積、と聞いて納得。東京がパリの7倍と言われるから、初めて負けた。

メトロ&電車:改札というものがない!駅構内に入り、そのまますーっと電車に乗れてしまう。みんな月間とか年間パスを持っているってこと。持っていなくても乗れるから、それだけ無賃乗車が少ないってこと?信頼関係の国・・日本みたい。
パリでこれができるだろうか?パリ郊外でバスに乗ってチケットを買おうとしたら、運転手さんにびっくりされたことがあった。
旅行者は一日か一週間の周遊券を買い、最初にのるときタイムレコーダーで日時を入れる。グルグル回っているRingという線があって、右回りか左回りか確かめて乗らなくては。山手線のベルリン版。

道中ビール:ビール瓶を持ってメトロ&電車に乗ってくる人が多い。特に若い男子。時々一口ずつ飲んでいる。ぬるくなって美味しくないだろうに。余計な心配。彼らはアルコール依存症ではなく-確かにそうは見えない健康的な若者たち-“道中のビール”という習慣なんだって。酔いつぶれている人はひとりもいなかった。

電車で出会ったバチェロレットパーティ(独身さよならパーティ)の一行。ポンッとシャンパンを開けて飲んでいた。結婚するのは誰だ?
ベルリン電車

自転車:歩道に自転車レーンがあり、かなりのスピードで自転車がぶっ飛んでくる。よく見ると、地面に自転車の絵、でも慣れないと危ない。2度、危うく正面衝突しそうになった。

信号:ドイツ人は信号を守る。車が来ないんで赤で渡ろうとしたら、隣にいたおじさんに叱られた。よく考えると、こっちがふつうであった。

食べ物:ドイツと言えばソーセージ、シュークルート・・・夫は以前来たとき(壁ができる以前)の思い出、ヴァイスヴルストというソーセージを食べたいとうわ言のように言っていたけど、ドイツ料理のお店はどこにもない。イタリアン、フレンチ、メキシカン、日本、中華、オーストラリアン(カンガルーのステーキ!)、アルゼンチン(肉料理)、ギリシャ・・・となんでもあるのに、ドイツだけない。仕方なく私たちはイタリアンとか中華を食べた。食費はパリに比べて安い。一皿の量が1.5~2倍くらいある。

失われたソーセージを求めて。見かけはブーダンブランに似ているヴァイスヴルスト。

ドイツ ソーセージ


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8月の長い週末:ベルリンの壁

着いた日の午後、さっそく壁の残りを見に行く。
ベルリンにはS(電車)とU(メトロ)が走っている上、トラムウェイとバス。一日何でも乗り放題券が7ユーロだ。ところが自動販売機はマスターカード(持っていない)とコインしか受け付けない。7x2=14ユーロもコインはないよ。自動販売機の前に並んだ旅行者たちもみんな必死でコイン探し。仕方なく駅から出て、近くのサンドイッチ屋でミネラルウォーターを買い、コインをゲット・・・このコイン争奪戦、去年の夏もやらなかったっけ?あれはクロアチア、ここはドイツの首都ではないか、メルケルさん・・・

Nordbahnhof(ノルドバーンホフ)という駅を降りると、見物人もあまりいない、寂しい風景の中に壁の名残り。
歴史的建造物になっている。
ベルリンの壁

ベルリンの壁

その前にある“壁メモリアル”でフィルムを観た。1961年、東ドイツによる壁造りの映像から始まって・・・でも説明がドイツ語なので全然わからん。夫は自分が観るのに夢中で訳してくれない。仕方ないから映像だけ。東と西の境界ゾーン、No man’s land(無人地帯)の見張り台では始終、兵士が見張っていて、誰かが壁に触ろうものなら、すぐトラックが駆けつける。1989年の崩壊まで、愚かで悲しい歴史の一コマ。
「東から西に亡命しようとした約1600人が殺されたんだって」最後に夫が訳してくれたのはこれだけ。後でウィキペディアを見ると、「射殺されたのは192人で以外と少ない」。後者を信じたほうがよさそうだ。この国では全く”Lost in translation”・・・

この後に行った、ベルリンのあちこちに壁の記憶が残っていた。
お土産物屋で壁のかけらが売られていた。なんの変哲もない2㎝四方のセメントが4.5ユーロ。すでに壁の4倍に当たる“かけら”が売られたとか!しかも《made in China》・・・買わなくて正解だった。

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8月の長い週末:ベルリン

息子と娘がそれぞれ友達と滞在して、大好きになったという街、ベルリンを、
私は「壁のある時しか知らない」
夫は「壁のできる前に行った」
子供たちは、まるで紀元前の生き物に出会ったような顔をした。
そこで壁が崩れた後のベルリンへ。進化した生き物になるために。

パリから1時間15分。正午にTegel空港に着いた。ヨーロッパ一の経済大国首都の大空港を想像していた私はちょっとびっくり。

ベルリン空港2

寒い上に雨が降りだして、いつも南へ南へと行きたがる私が、北の都市に来たんだわ・・・そこへ、借りたAirb&bのオーナーから電話。カギの受け渡しを心配していたところだ。なかなかちゃんとしている。
「今、着いたとこです」(英語)
「じゃアパートメントに着くのは1時半くらいだね。カギを〇〇の中に入れておくから」
〇〇は”セーフ”のように聞こえるけど、セーフって何だ?聞き返すと、同じ言葉を繰り返し、
「誰か英語の話せる人はいないの?」
「!?」私が話したのは何語だっていうの?
突然、夫がドイツ語を話すのを思い出し、電話を押し付ける。彼は流暢なドイツ語でけっこう長く会話していた。
「何の中だって?」
「わからん」
「・・・・」
ま、行ってみればわかるだろう、とバスとメトロを乗り継いで、アパートメントにたどり着いた。
扉の前には、よくある隠し場所の植木鉢もないし、電話して聞くしかない、と言っていると、隣のお店のおばさんが、柱の陰に隠れている黒い箱を指さす。その箱を彼らは”safe”と呼んでいるのだ。そのとき、SMSで4桁のコード番号が送られてきた。コードを押すと、魔法のように箱がパカッと開き、中にカギが入っている。スパイ映画みたい!

興奮して中に入ると、コミュニスト時代の建物によくある、広くて殺風景なホールだ。なるほど、この地区は元東ベルリン。

アパートメントのサロン、明るい。

ベルリンAirb&b

真っ白な寝室。

ベルリンAirb&b

広くて清潔で、ロケーションもいい。一泊90ユーロ。欠点は、鎧戸がないので朝6時に目が覚めること・・・

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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