オランドからマクロンへ、正式にバトンタッチされるのが14日の日曜日。

10日、最後の閣議で各大臣にサヨウナラ

オランド大統領
photo: TV5monde

大統領の座を退いた後、オランドにはいくら払われるんだろう?
まずモト大統領手当:5.184ユーロ
地元コレーズ県議会長、ヨーロッパ評議会として:6.208ユーロ
会計監査院のミッション:3.473ユーロ
色々な地方業務をひっくるめて:235ユーロ
と計15.100ユーロ、約188万円が毎月払われる。
大統領を辞めても、県やヨーロッパ議会や会計監査院の仕事はあるわけだから、まぁのけぞる額ではない。
驚くべきはその他モロモロ:
家具付きのアパルトマン
行政上の職員:7名
車:1台&運転手2名
家事:2名
ボディガード:2名
エール・フランス、SNCF(フランス国鉄):タダ

辞めた大統領は死ぬまでこれらの年金と特権を与えられる。
去年9月、オランド大統領は、会見監査院から「モト大統領たちに払う金額が目から火が出るほどになっている」と知らされた。考えてみればモト大統領は3人:
ヴァレリー・ジスカールデスタン91歳
ジャック・シラク84歳
ニコラ・サルコジ62歳
総額は年間1030万ユーロ、約12億8750万!
そこに自分(フランソワ・オランド62歳)が加わって4人になるわけだ。
昔は“モト”が4人、という状況は考えられなかったのに、平均寿命が延びてこの状態に。

オランド大統領は政令を発表:特権を5年にし、2022年からは職員3名、運転手1名、家事1名、飛行機&電車のタダ乗りなし、に決めた。もちろん自分だけではなく後の3人も同様。庶民の見方、社会党の大統領らしく・・・

エマニュエル・マクロンは39歳だから5年後は44歳。特権がもとのままだと、その後の長い余生は「何もしないで食べていける!」ということに。ま、マクロンが何もしないわけはないけどね・・・


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お子様メニューが好きな新大統領

大統領に当選の翌日、TF1で放映された『Les coulisses d'une victoire/勝利の楽屋裏』(教えてくださった読者の方に感謝!)。
この裏に本当の楽屋裏がありそうだけど、面白くて熱心に見てしまった。
印象に残った場面は:
オランド大統領が再立候補を断念発表。それを聞いて「裏切者がいるとすればヴァルス(首相)だ」(そうなんだよね、ゆくゆくこの人の性格が暴かれる)

フランソワ・バイルー(中道Modem党首)がマクロン支持を表明。

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「共和国大統領というのは奇妙なものでね・・・君はその年齢にはなっていないけど、まあそれはいい。私がやろうとしてできなかったことを君がしようと言うなら、力になりたい」
感動的なシーン。

農業市で、生産者や報道陣に取り囲まれたマクロンに誰か(ルペン派!)が生卵を投げつけた。そのヴィデオを何回も見て笑い転げる。

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「スーツはどうなったの?」とブリジット(女の心配することは同じ)。

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第一回の候補者討論を終えて、「ふーっ!チョコレートかなんかない?」というマクロンに「だめよ、そんなもの食べちゃ」とブリジット。彼はフィヨンの足腰の強さにびっくり「3時間以上立ちっぱなしで脚がガクガクしてきた。フィヨンは微動だにしないんだ」

第一次投票の日。故郷のトゥーケで投票し、パリの選挙本部に戻る途中、ドライブインで昼食。Franch(学生時代に行ったセルフサービスのレストラン)が好きというマクロンは目を輝かせ、「あ、コルドンブルー(鶏むね肉の間にハム&チーズを挟んだカツレツ)がある!僕、好きなんだ」

VIDEOS-Les-coulisses-d-une-victoire-les-huit-meilleurs-moments-TF1.jpg

「それはお子様メニューです」
「・・・・」

90分のドキュメンタリーは、アグレッシブではないけど権威のあるマクロン、選挙本部のスタッフたちの結束、献身、そしてエマニュエル&ブリジットの強い繋がりが窺える。
マクロンは1時間もブリジットの姿が見えないと落ち着かなくなるそうで、ミーティングや討論の後、必ず彼女の意見を聞く。
選挙本部のスタッフが声を揃えて「よかった」と言っても、ブリジットに、
「ほんと?」
「2人だけの時に言うわよ、シェリ」
「ウィかノンだけ言って!」
「2人だけの時しか言わないって知ってるでしょ」

考えてみれば16歳の高校生と40歳の高校教師(既婚、子供3人)が結婚するまでの14年間-いくらフランスでも-家族と世間を敵に回しての戦いだったに違いない。
1年前に「大統領?不可能だ」と言われた彼が可能にしたのも、百戦錬磨のカップルだったからこそ、かもしれない。
次なる戦いは始まったばかり・・・


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前途多難、マクロン新大統領

マクロン66.1%、ルペン33.9%。
39歳4か月と16日、共和国最年少の大統領が誕生した。ファーストレディは64歳、孫7人。

エマニュエル・マクロン大統領
photo:AFP

ルーヴル広場、ピラミッドを背景。”勝つとわかっていた”演出。

エマニュエル・マクロン大統領
photo:parismatch

最後にマルセイエーズを歌ったとき。
背後にいるキャスケットの男性がソーシャルネットワークで有名に。「誰、あの人?」「トランプの支持者が紛れ込んでる」・・・
彼はナントでPizza Hutのフランチャイズをしていて、マクロンの選挙運動に熱心に関わっていたそう。

エマニュエル・マクロン大統領
photo:AFP

確かにマクロンが勝つのは明らかだったけど、この大差に私も喜んだ。イギリスのEU離脱といい、トランプのの政策と言い 、自国優先の閉鎖傾向が広がる中、ヨーロッパの団結と孤立しないフランスを国民は選んだ。「ルペンが大統領になったら日本に帰る」と言っていた友人たちもこれで帰らなくてすむ。ほっ!

でも決選投票の結果をよく見ると、決して安心できるものではない。
〇過去最高の棄権(25%)と白紙投票(12%)
これまで政権を握ってきた右派(フランソワ・フィヨン)左派(ブノア・アモン)が第一次投票で落選し、極右と“極財界”(メランションの命名)が決選に残り、フィヨンとアモンの「マクロンに投票しよう」の呼びかけにも拘わらず「どっちの政策にも同意できない」「ペストとコレラ、どちらも選べない」人が1600万人いた。
〇過去最高のルペン得票数
1100万人がマリーヌ・ルペンに投票、これはFN国民戦線の最高得点。負けてもマリーヌが凹んでいない訳だ。2002年、親父ジャン=マリー・ルペンがまさかで決選投票に残ったときは、一次投票で棄権した人たちが目覚め、投票率は8%上がった。その結果、ジャック・シラクは82%獲得で勝った。今回は“危険に目覚め現象”もなく、逆に棄権が増えた。
15年後、ルペンは確実に支持者を増やしているということだ。

さらに“左派でも右派でもない”マクロンが、誰を首相、各相に選ぶか。
6月の総選挙で過半数を獲得できるか。
・・・と前途多難だけど。
1年前、マクロンが経済相を辞任して政治運動En marche !を立ち上げたとき、「マクロンは大統領になると思うか?」というインタビューに議員たちは口を揃えて「ありえない」「不可能」と答えた。それがなっちゃったんだから・・・ゴールデンボーイに期待しよう。


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大統領選の恒例『一次と二次投票の間の討論』。勝ち残った候補者2人が経済、テロ安全対策、EU・・・について意見を戦わせる予定だったんだけど、マクロンVSルペンのは殆ど言葉の“殴り合い”。

ルペンVSマクロンの最終討論
photo:sudouest.fr

最初の質問、「決選投票4日前の精神状態は?」にマリーヌは、
「私はとても満足です。だって国民の選択が間もなく明らかになるから。ムッシュー・マクロンは、荒っぽいグローバリゼーション、社会不安、経済荒廃の候補者で、それはすべてオランド大統領が舵を取っている。一方私は国民の候補者、私たちが愛するフランス、その文化、文明を護り、フランスを護る候補者・・・」と攻撃開始。討論のトーンが決まった。

司会者が、経済の振興や失業者の減少対策の質問をしても、マリーヌはマクロン叩きに終始:あら、あなた経済相だった時は何もせず、大統領になったらやるって言うの?誰が信じるかしら?

ルペンVSマクロン最終討論
photo:EUROPE1

マクロンが「私の政策を叩くより、自分の政策を」と、話を中身に持っていこうとすると、彼女お得意の「ユーロになってから経済が悪化した」を繰り返す。
「ユーロ離脱」から最近「フランとユーロ2本立て」に軌道修正した(経済学者は口を揃えて「不可能」)マリーヌに、
「フランスのチーズ製造者でさえ、原料の一部はEU諸国から買っている。経営者が輸出入や原料購入はユーロで、給料はフランで払うなんて実現不可能」とマクロン 。
マリーヌはマクロンが話している間、軽蔑的なせせら笑いを浮かべ(時には声を出して笑い)、私だったら(そういう可能性は皆無なんだけど、彼女のような態度をされたら、ということ)掴みかかっていた。
動作&表情の分析家は、あれは困ったときの虚勢の笑いと言うけど、苛立つことに変わりない。
そして彼女が5分おきに繰り返すのは、
「あなたは最低の支持率を記録したフランソワ・オランドの“精神上の息子”。オランドは一日2回“マクロンに投票しろ”と言ってるじゃないですか。ホホホ・・・」
マクロンも「あなたは“すべてを否定し批難する”極右の後継者、ジャン=マリーの娘だ。批難だけで政策がない」と応酬。

「めちゃくちゃ」「バカなことを!」「ウソつき!」・・・など、子供の喧嘩か?と言いたくなるセリフが飛び交った。
討論の最後、それぞれ好きなテーマで締めくくりを、と言われたときも、マリーヌは「あなたはフランソワ・オランドと経済界の手先」とせせら笑い。
直後に行われたアンケート調査では「マクロンの勝ち」が3分の2。
投票意思のアンケートでもマクロン60%、ルペン40%。だけど40%のフランス人があのマリーヌ・ルペンに投票する、というのが問題だ・・・


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決選投票を待ちつつお奨めの2本

レイラは弁護士、サルマはレストランで生活費を稼ぐDJ。イスラエル人の2人はテルアヴィヴで一緒にアパートを借りている。
バー、アルコール、タバコ・・・彼女たちにとってそれらは“自由”の象徴だ。
サルマの両親は、娘を結婚させようと次々と男性を紹介する。実は女性が好きなのをサルマは明かせないでいる。

そこに3人目の同居人、ヌール。2人よりずっと堅く、ヴェールを被り、大学で情報処理を勉強する。婚約者が来ると、慌てて酒瓶や灰皿を隠す。その婚約者は、この同居が“ヌールに悪い影響を与える”と非難し、学業をやめて早く“奥さん”になってほしいと言う。
3人3様に自分の将来を、自由の形を思い描いていた女たちは、違った形でつまずく。因襲的な親に、自分に都合よく宗教を利用する男たち、その偽善に・・・NYで仕事をしたというレイラの彼でさえ、彼女が人前でタバコを吸うのを嫌がるのだ。

パレスチナ女性、Maysaloun Hamoud/マイサルーン・ハムードの処女作品 『Je danserai si je veux/踊りたいなら踊るわ』。

jedanserai.jpg

時代を変えよう、もっと自由にと戦う女たちは美しく、でも“踊りたいなら踊れる”まで道のりはまだ長いと感じさせる。

Ja danserai si je veux
マイサルーン・ハムード監督作品(仏・イスラエル・パレスチナ合作)
主演:ムーナ・ハワ、サナ・ジャムリー、シャデン・カンブーラ
1時間42分

こちらはスペイン映画:『la colère d’un homme patient/忍耐強い男の怒り』

colere dun homme patient affiche

誰も覚えていない8年前の宝石店強盗事件。捕まったのは運転手クーロだけだ。彼が刑を終えて出所してきた。妻のアナと息子と新しい人生をやり直そう・・・
彼の出所を待ち受けていた男がひとり、“復讐”を誓って、辛抱強く待っていたホセだ。

8年間の刑務所が“丸く”した元凶暴な男(右)と、復讐心に培われ凶暴になった男。

colere dun homme patient

どっちも憎むべきキャラだけど、どっちかの肩を持ちたくなる。スペインっぽいノワールさのスリラー。

La colère d'un homme patient
監督は俳優のラウール・アレヴァロ。
主演:アントニオ・デ・ラ・トーレ、ルイ・カレジョ、ルース・ディアス
1時間32分

どちらもパリで上映中。どちらもお奨め!

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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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