20年間知らなかった床下の上げ蓋

私たちが住んでいるのは1世紀前の建物。さすがに水道管が古くなって取り替えることになり、中庭を掘り返し始めたのが4月。
深さ2m弱、ちょうど棺桶2つ分くらいの長さの穴ができ、その上に板が渡された。住民や自転車が通る度にかなり大きな音がする、のはまだいいけど、穴からドブネズミが2匹出てきて、敷板の上をウロウロし、私と娘は外に出られなくなった。

そのうち、水道管の続きはうちのアパルトマン(地上階)を横切っていて、なんと!うちの中を掘り返さなければ工事が進められないことがわかった。
「つまり、床板をはがして穴を掘るってことですか ?」
「はぁ、つまりそういうことに」と工事主任。
はがすのはちょうどテレビの前。
工事中は1週間続き(つまいテレビは観れなくなり)、1日か2日水が使えなくなり、工事の人が出入りするのでドアは一日開いているので、誰かがいなくてはいけない( !?)。
工事には、配管工、水道管の技術会社、床板を剥がす建具屋も必要で、みんなの都合が合うのが難しく、グズグズするうちバカンスになり、じゃ新学期にしましょうということになった。

9月になったら、今度はみんなが立て込んで延び延びになり、そのうち諸聖人の休み(秋休み)に入り・・・。板の上を行き来する音が「ゾウの群れが通るみたい」にうるさいと娘がキレ、工事が進まないのはうちのせいみたいに言われる、と夫と私がキレ、そのうち12月になり、クリスマスが近づくと全員都合が悪くなり、工事中途で年を越すことに。

1月。永久にこのままなんじゃない?と私が絶望する頃、それを聞きつけたようにバタバタと決まり、2月に入ってすぐの早朝、けたたましい音を立てて床板がはがされた。
「こんなとこに上げ蓋が!」と職人さん。
あら、ほんと。床下にマンホールがあるなんて20年住んでて知らなかった。まあ、床板を剥がす趣味はないから知る由もない。
「金塊かも・・・」と夫。
「その場合、見つけた人と家の所有者が折半ですから」
あんた、マジ?
「あれ、国が取っちゃうじゃなかったっけ?」と建具屋さん。
「でも先住の家主の先祖が隠したのなら・・・」と私。
建具屋さんは「よござんすか?」という顔で私たちを見て、エイッと蓋を上げると・・・水道管の一部が通っているだけだった。
一瞬の希望は儚く・・・

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建具屋さんが帰ると、さっそく猫たちが偵察に駆けつける。

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続きは次回!

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大統領はこの中のひとり

火曜日にフィヨンは記者会見をして、自分は法に触れることは何もしていない。自分を失墜させようとする陰謀の犠牲者である。しかし今回、国民は政治家が家族を雇うのを評価しないとわかった。そのことは国民にお詫びしたい(問題になっているのは家族を雇うことではなく、マダム・フィヨンが本当に仕事をしたか、だ)。大統領候補を降りるつもりはない。私は国民大多数の支持を得て選ばれたので裏切ることはできない・・・という主旨の演説をした。

でも支持率落下を食い止めることはできない。
翌日トロアに選挙運動に赴き、ブーイングで迎えられた。安い給料で毎日あくせく働いている人たちは、政治家の立場を利用して家族を富ませていたのが我慢できない。
他の政治家に比べて、フィヨンがクリーンで公明正大をウリにしていただけに。

8日に行われた「第一次選挙で誰に投票するか?」のアンケート調査で、マリーヌ・ルペン、エマニュエル・マクロンに抜かれてた。

フランスの次期大統領はこの中のひとり
ルペン25%、マクロン22%、フィヨン20%、国民全員に毎月500ユーロのアモン15%
でも二次選挙で「マリーヌ・ルペンは敗れる」が大多数:マクロンに負ける(34%)、フィヨンに負ける(38%)。
お父さんのジャン=マリーはシラクに負けたし。私もこのアンケート結果を信じたい。

第一次選挙(4/23)まで10週間あるから、フィヨンの巻き返しなるか?(右派の政治家は左派ほどクリーンさが重要視されない。政治家は灰色でいいみたい) マクロンが更に伸びるか?

そのマクロン、Radio France社長のマチュー・ギャレが恋人で二重生活を送っている、という噂を立てられ、
「私は妻とずっと一緒に暮らしている。もしレストランやクラブで私とマチュー・ギャレを見たのなら、それは私のホログラムだ」

radio-france-mathieu-gallet.jpg

マチュー・ギャレは独身、マクロンは24歳年上の元高校教師と結婚している。2人ともけっこう美男だし、ゴシップが生まれる好条件だったってこと。


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まずララランド。
久々のライアン・ゴスリング、ゴールデン・グローブ賞を独り占め(7部門)で、前評判がすごかった。
封切りの週は、映画館の前に長蛇の列で諦め、翌週の夜、めでたく観れた。
舞台はロサンジェルス。女優志願のミアはオーデションの合間、カフェで働く。
冴えないクラブでピアノを弾くセバスティアン、彼の夢は本物のジャズクラブを開くこと。
それぞれ情熱を持つ2人が出会い、愛し合う。でも彼らの現実は夢とは遠いものだった。

ラ・ラ・ランド

ライアン・ゴスリングは相変わらずカッコよく、エマ・ストーンの目は相変わらず普通サイズの2倍だった。
セリフも全部歌っちゃうミュージカルは苦手だけど、これは普通に話して、時々歌い踊り出すパターン。

ラ・ラ・ランド

音楽はというと、オリジナルより、セバスティアンの弾くジャズがよかった。音楽&ダンス&キャストの魅力のエンターテイメントで、批評が悪くても観ただろうけど、賞を総舐めにするほどかな、と。ゴールデン・グローブの最優秀シナリオ賞もとっているけど、作品の3/4はもう何回も観たようなストーリーだ。
でも批評、前評判が良すぎたので、普段こういう映画を観ない人も来ていて、私の近くに座っていたおばあさんは後半で「なんて長いんでしょう!」 全然好みじゃなかったみたい。

監督のデイミアン・チャゼル監督は『セッション/Whiplash』(ドラム教師と生徒の殆どサドマゾの練習)で有名になった。この監督、フランスではダミアン・シャゼルと発音され、ゴールデン・グローブではまるでフランス人が受賞したみたいに騒ぐんで、フランス人なのかと思ったら、父親が仏米ハーフというだけだった。まったく・・・

日本では去年公開になった『ブルーに生まれて』。50年代のジャズ・トランペット奏者、チェット・ベーカーの人生の一コマを描いた作品は、上映館も少なく、長蛇の列もなかったけど、すごくよかった。

ブルーに生まれついて
photos:allociné

自伝映画の撮影中、チェット・ベーカーは駐車場で滅多打ちに殴られる。借金があったディーラーの仕業。チェットはヘロイン所持でムショの出入りを繰り返していた。
顎や歯を打ち砕かれ、撮影は中止。どころか、再びトランペットを吹けるだろうか?絶望するチェットを、撮影で知り合い愛し合うようになったジェーンは励まし、立ち上がらせようとする。でも、ヤクと手を切ることも、プロデューサーの信頼を取り戻すのも難しかった。

ジャズは特に好きなジャンルではないけど、チェットのトランペットは熱く切なく、演じるイーサン・ホークは限りなくセクシー。そして彼の才能と人生を滅茶苦茶にしたドラッグの怖さ。この作品は絶対2度目観るだろうな。

La La Land/ラ・ラ・ランド
デイミアン・チャゼル監督作品
主演:エマ・ストーン、ライアン・ゴスリング
2時間8分
あちこちで上映中。日本では2月24日公開
ロバート・バッドロー監督作品

Born to be bleu/ブルーに生まれついて

主演:イーサン・ホーク、カルメン・イジョゴ
1時間37分

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大統領選3か月前というタイミングにスキャンダルが出てきたのは、誰かが告発したからだ。
フィヨンも「これは左派の陰謀だ」「自分を陥れるための中傷だ」「クーデタだ」と騒いでいるけど、犯人を“左派”というのは、自分の陣営のせいにはできないからじゃない?

右派予備選挙のフィヨン圧倒勝利で、一番傷ついたのは誰?
ニコラ・サルコジだ。
“大統領の私が決断したことを実践していただけ”のフィヨンに負けるなんて。
候補者テレビ討論でのフィヨンの一撃「ポンピドー元大統領が、警察の取り調べを受けるなんて想像できない」(サルコジは選挙資金粉飾のなどいくつかの容疑で取り調べを受けている)も飲み下せない。
・・・ので、サルコジ派の逆襲、ありそうだ。じゃ誰?
ラシダ・ダチが怪しい。
サルコジお気に入りの元法相、パリ7区の区長は、フィヨンとは犬猿の仲。
「外見にはつい騙されるものだ。経費と協力者についてフィヨンは透明だろうか」と2014年にツィートしている。
TVのニュース番組で、「垂れ込んだのはあなたですか?」という直球の質問に笑い出し、
「言いたいことがあったら直接言う。そういう真似はしない」

ラシダ・ダチ 垂れ込んだのは彼女?

最近ボトックスして顔が変わったダチは、執念深くアグレッシブ。ますますありそうだ。

一方、フィヨンの失墜で誰が得をするか?
極右マリーヌ・ルペンと“左派でも右派でもない”エマニュエル・マクロン。
現に後者は、土曜日の支持者ミーティングで1万4000人を集め、会場に入れない人がたくさん出る大盛況だった。
インタビューされた参加者のひとりは「フィヨンがあんなことになったから、マクロンに投票する」
でもいまのところ、ルペンもマクロンもタレコミの疑いはかけられていない。

どっちにせよ、左派はバラバラだし、右派はフィヨンの代わりに誰か候補者を立てなくてはいけない。アラン・ジュッペはピンチヒッターはイヤだというし、大統領の器が他にいない。
フランス政治界は対外的にも自慢できる状態ではなくなっている。困ったことです・・・


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奥さんペネロープに50万ユーロを超える架空人件費を払っていたことが暴かれたフィヨン。
翌日TF1の20時のニュースに登場し、
「妻は、常に私のために働いてきた。彼女の協力なしに今日の私はありえない」
「弁護士である私の子供たちに仕事を頼み、報酬を払ったこともある」
「なぜこのスキャンダルが選挙の3か月前に炸裂するのか?」
「妻が架空雇用だったというメディアを告訴する」
「私の潔癖を司法の前で証明する」
・・・と熱く抗弁した、つもりが墓穴を掘る結果に:フィヨンが“仕事を頼んだ”という2005-2007年、2人の子供はまだ弁護士になっていなかったのだ。すぐにバレることなのに、どうして?

更にカナール・アンシェネの2/1号は「マダム・フィヨンに払われた額は実は831.440ユーロだった」
つまり、フィヨンが「最初はボランティアだった」と言った時期も払われていた。
これにマダム・フィヨンの2つ目のお仕事、出版社の報酬10万ユーロ(実際に働いたことを証明できない)+2人の子供に払われた8400ユーロを合計すると100万ユーロを超える。

更に、昨日(2/2)のEnvoyé spécial/特派員(France2のスクープ番組)は、2007年のペネロープ・フィヨンのインタヴューを見つけ出し放映した(このスキャンダルではメディアの速さにびっくり。フランス人もやろうと思えばできるじゃない・・・)
Sunday Telegraphのジャーナリストに、
「夫のアシスタントや、その種のことはやったことがありません。コミュニケーションだってしたことがないの」

ペネロープ・フィヨン インタビュー

番組は21.5%の視聴率で(私も観た)フィヨン夫妻に致命的だった。
政治家が家族を雇うことは禁止されていないし、奥さんや子供がアシスタントはよくあること。フィヨンの場合は、奥さんが実際に仕事をしたか?が実証できないこと。そして桁違いの額。
「お城に住めるわけだ」と夫。
「スーツも全部オーダーだもんね」と私。

ロワール地方、サルトにあるフィヨンのお城

フランソワ・フィヨンのお城


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから20年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書2冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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