「アディシオン、お願いしまーす!」といくら叫んでも、ギャルソンはわざとのように目を合わせず、なかなかやってこない、ということがよくある。
単に、食べ終わった人は後回しになっているんだろう、と思っていたら、意図的にグズグズしているらしい。お勘定がなかなか来ないと、じゃもう一杯飲もうか、とかデザート(を取っていなかった人は)頼もうか、になるのを期待して。

仏レストラン

パン籠をなかなか持ってこないレストラン。これも意図的とか。パン(無料)でお腹を一杯にせず、チーズやデザートを取らせる・・・

さらにワイン。ワインリストで「これ」と頼む場合はいいとして、
「グラス(またはカラフ)の赤は何があります?」と聞くと、
「コート・ド・ローヌのなんじゃら、ロワールのかんじゃら、ボルドーの・・・」と早口で並べ立てる。過半数の人は、始めに言われたのを覚えていないので、最後のワインを頼む・・・ので、最後に一番高いワインを持ってくる!敵もよく考えたわね。

ま、こういう画策は高級レストランではやらないだろうけど。
従って、お客としては:
-ワインの名前を羅列されたら「では、もう一度最初から」という勇気を持ち、
-パンが来たらむさぼり食い、
-お勘定が来なかったら、立ってレジに赴く、
という対策で臨まなくてはならない。そうするとサーブした人へのチップはナシだもの!


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やっぱり大勢が楽しい

毎年、私の誕生日は母の日(フランスの)の数日後。
「近すぎる」と息子。
「どっちも私が決めたんじゃない」
毎年、12月27日とかに生まれた人の苦労を実感する。
「母の日に贈った薔薇だけど」
「?」
「4本は母の日で、6本は誕生日ということで・・・」
・・・ということで誕生日。今年は友達をよびたい気分、でもペンテコステの3連休だから予定があるかも、と思いつつ声をかけたら、殆どみんな来てくれた。家族も入れて16人。

一度作って好評だった2つのサーモンのテリーヌ。簡単なんでレシピを書くと、
材料:生鮭350g
スモークサーモン150g
卵3個
生クリーム(液体状、Crème fleurette)250cc
シブレット1/2束
塩 2つまみ
エスプレット(トウガラシ)ひとつまみ

1.生鮭は皮と小骨を取り、一切れを3つか4つに切る。
2.シブレットは3-4㎝に切る。オーブンを180°にセット。
3.生鮭、クリーム、シブレット、塩、エスプレットをミキサーにかける。かけすぎるとムースになるので、粒々状で止める。
4.テリーヌ型に3の半量を流し、スモークサーモンの薄切り-花びらくらいの大きさ-を並べる(ここでスモークサーモンが沈むかと思ったら沈まない!)。残りの3を流しいれる。

鮭のテリーヌ

5.オーブンのプレートにお湯を入れ、アルミ箔で蓋をしたテリーヌ型を入れ(つまり湯煎状態)1時間。10分前にアルミ箔を取る。

友人のひとりが「だし巻き卵みたいで美味しい」。確かに、お総菜屋のテリーヌはずっとコンパクトだ。リキッド状のクリームを使うから?
娘の作品、チュニジア春巻き、ブリック。中はツナ、ゆで卵、玉ねぎ。シンプルでいくつでも食べられる。今回は鶏バージョンと2通り。兄貴に手伝わせて作った50個がまたたく間になくなった。

ブリック

Spotify を聴きながら野菜を切ったチュニジアサラダ

チュニジアサラダ

ワタシ定番の大鍋料理、オッソブーコのカレー。フランス人に味見させたら「これ以上辛くしないほうがいい」。ところが日本人は「これ、子牛のナヴァラン?(カレーなしの煮込み)」。味覚の差、歴然。

子牛カレー

ワインも随分空いたわね。最近ダイエットで飲んでいなかった夫が、ここぞとばかり飲んでいたくせに、空き瓶の林を見て「みんなよく飲んだね」だって。
楽しかった!来年が待ち遠しい?


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モノクロのパリ、奇妙な三角関係

大学の廊下で出会う教授と女子学生。2人は事務的な感じで一緒に歩き、教授用トイレに入り、激しく愛し合う。彼50歳、彼女23歳。
「最初の哲学の講義で、あなたは『哲学は生活と対立するものではない』と言って、私を見たの。覚えてる?」
「いや」
「その時、あなたを好きになったの」

彼(エリック・カラヴァカ)と彼女(ルイーズ・シュヴィロット)

フィリップ・ガレル『一日の愛人』

ある晩、婚約者に追い出された彼の娘が目を泣きはらしてやってくる。

彼と娘(エステル・ガレル)

フィリップ・ガレル『一日の愛人』

父は慰め、泊まっていくように言う。テーブルの上に花柄のペンケースがあるのを見た娘、
「誰かいるの?」
「うん・・・」

翌朝、顔を合わせる彼女と娘。
「私たち同い年なの、イヤじゃない?」
「別に・・・いつから一緒にいるの?」
「3か月前から。あなたのお父さん口説くのに時間かかったんだから」
「あなたが口説いたの?」
「そうよ」
突然、2人の若い女と暮らすようになったオジサン教授。彼は、若い彼女との生活が続けばいいと願う。
彼女は、落ち込んでる娘に服を貸し、一緒に料理を作り、外に連れ出そうとする。連帯感もあれば嫉妬もある。彼が帰ってきて、まず娘にキスすると癇癪を起すのだ。

彼女と娘

フィリップ・ガレル『一日の愛人』

フィリップ・ガレルの『L'Amant d'un jour/一日の愛人』。
この監督は、いつも同じテーマ“愛”を、ごくシンプルに描いて-モノクロ、一人称、飾り気のないパリの日常、アパルトマン-どっぷり感情移入できて、後を引く。
ストーリーはすべて彼の経験から生まれているそうだけど(そんなに若い愛人がいた?)そぎ落とされ、「愛に苦しみは不可欠?」という普遍的な問いかけが浮かび上がる。

お父さんが名優のモーリス・ガレルで、13歳のとき最初の短編を撮った。息子のルイ・ガレル、娘のエステル・ガレル(この作品の娘役)も俳優で、映画と人生に境界がないみたいな人。ゴダールやロメールと比較される。
私はガレルのほうが好きかな。『ジェラシー』(2013)、『女の影』(2015)も、もう一度観たい。

ところで、この映画で男50歳-女23歳=27歳差で、誰も驚かないのに、逆(ブリジット-マクロン=24歳差)だと世界中が騒ぐのね。

L’Amant d’un jour

フィリップ・ガレル監督作品
主演:エリック・カラヴァカ、エステル・ガレル、ルイーズ・シュヴィロット
1時間17分
フランスで公開中

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フランソワ・オゾン 『ダブルの愛人』

クロエはずっとお腹が痛くて(お腹と言っても下腹。食べ過ぎてお腹が痛くてもフランス語はmal au ventreで同じ)婦人科に行くけど、何も異常はない。精神的なものでは?と言われて、精神分析家に会いに行く。
回を重ねるうち、分析家ポールはクロエに「職業倫理に反する感情を覚え(早い話、彼女が好きになった)これ以上続けていけない」と告白する。同じ感情を抱いていたクロエは喜ぶ。
数か月後、一緒に住み始めた2人。引っ越しの段ボールを開けていたクロエは、ポールのパスポートに別の姓が記されているのに気づく。 数日後には、いるはずのない場所でポールを見かけ、一緒に暮らしている男性に、秘密の部分があるのを疑い出す。

「何か隠してるでしょ」「そんなことないって・・・」
クロエ(マリーヌ・ヴァクト)とポール(ジェレミー・レニエ)

フランソワ・オゾン『L'Amant double/ダブルの愛人』

フランソワ・オゾンの最新作『L’Amant double/ダブルの愛人』。

フランソワ・オゾン『L'Amant double/ダブルの愛人』

この監督、毎年のようにカンヌのコンペティション作品に選ばれるのに、賞が取れない。でも彼ほど、毎回ガラリと違った作品を作る監督は珍しい。彼ひとりかも。
『Frantz/フランツ』(2016)の舞台は第一次大戦直後のドイツの村。婚約者フランツを戦争で亡くしたドイツ女性と、フランツと戦地で知り合ったというフランス男性の物語。
『彼は秘密の女ともだち』(2015)ではロマン・デュリスを女装させ、『17歳』(2014)は高校生売春のお話。
遡って『8人の女たち』(2002)は、殺人をきっかけに家族の秘密が次々に暴かれる心理劇をミュージカルコメディ(!)で。

この『L’Amant double』はジャンルで言えばエロティックサスペンス。クローネンバーグの『戦慄の絆』やポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』、ヒッチコックの作品の雰囲気もある。
とにかくクロエ役のマリーヌ・ヴァクトが綺麗、中性的な裸を惜しげもなく見せる。ジェレミー・レニエもカッコいい。背景も美しく、特に精神分析家の家の豪華さ(分析家が概してリッチだけど、ちょっとやりすぎで現実味がない)。
しかし。ジャクリーン・ビセットとの最後が、夫も私も「????」。帰って批評を見たけど、ネタがばれるのでどの批評も言及していない。
若いころのジャクリーヌ・ビセット。ミステリアスな雰囲気がマリン・バクトに似てない?

ジャクリーヌ・ビセット

信憑性には欠けるけど、俳優が魅力的&官能的でサスペンスがあるので、一見の価値あり。

チケットを買う時「“愛人”2人」と言ったら、横にいたマダムが「まあ!」と目を輝かせ、
「しかも『ダブルの愛人』だから計4人!」とうっとりした顔になった。

L’Amant Double
フランソワ・オゾン監督作品
主演:マリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット
1時間47分
フランスで上映中


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薔薇と薔薇の日々

28日はフランスの母の日。子供たちが小さい頃は、学校で強制的に描かされた絵をプレゼントしてくれた。
「Bonne fête, maman!」あの頃は可愛かったわね・・・
長じるにつれて、娘は夜遅くなってから、
「えっ!今日、母の日だったの !?」
息子は「ペタンの定めたことを祝うのはイヤだ」と、わかるような、でも屁理屈のようなことを言いだした。

フランスがドイツの占領下に置かれた第二次大戦中、ナチに協力したヴィシー政権の主席、ペタン元帥。
1942年、ラジオで全国の母に、
「健全な人間、強い国民を形成する、勤労の喜び、規律の意味、慎み、尊敬を伝えられるのはあなたたちだけだ。あなたたちはキリスト教文化の鼓吹者である」
と呼びかけ、母の日を定めた。
でも発案者は彼ではなく、1918年、リヨンで始まった「戦争(第一次大戦)で夫や息子を亡くした女性の日」が起源と言われる。

歴史のお勉強はいいとして、私にとってはあまり期待できないお祝いなのだ。
それでも、「日本とフランス、母の日が2週間もズレてるの知ってる?」
とか、
「花屋さんが一番儲かるのが母の日だって」
と、なにげなく言ってはみたけど。

日曜日の午後、ダダダという足音とともに、花束を抱えた娘が飛び込んできた。淡いピンクの薔薇と絵とカード。
「絵とカードだけで良かったのに!こういうのが一番うれしいんだから」   
「大丈夫、パパに手伝ってもらったから」

フランス、母の日

夕刻、夫とカンヌの授賞式を見ていたら、今度は息子がふらりとやってきた。彼は1年前から友達とアパルトマンを借りていて、週に一回くらいご飯を食べに来る。
自分の分もあるように、いつも予告してくるので、
「あら、来るって知らなかった」というと、
ジャジャーン!と後ろに隠していた白い薔薇!
夫は知ってたみたいだけど、私には予想外で、喜ぶより先に、「どっか悪いんじゃない?」と言いそうになった。

フランス、母の日

忘れられると憤慨するくせに、贈られると戸惑う・・・母親って(私って!)厄介な生き物だ。
とにかく今週は幸せ、“薔薇と薔薇の日々”。


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プロフィール

Author:長谷川たかこ

この国に住もう!と決めたのは13歳のとき。それが実現したのは10年以上経ってから、それから30年の月日が流れました(計算しないで!)
現在フレンチ・コード主宰。訳書多数、著書3冊。夫1人、子供2人、猫2匹と暮らす騒がしい毎日。映画と料理とデビッド・ボウイが趣味。


長谷川たかこ

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